問16　2021年9月実技（資産設計）

文彦さんは、現在加入している生命保険（＜資料＞参照）の保障内容を確認することにした。次の記述の空欄（ア）〜（ウ）にあてはまる数値を解答欄に記入しなさい。なお、保険契約は有効に継続しており、文彦さんと寛子さんは、これまでに＜資料＞の生命保険から保険金・給付金を一度も受け取っていないものとし、免責事項に該当する事由はないものとする。また、各々の記述はそれぞれ独立した問題であり、相互に影響を与えないものとする。

・ 文彦さんが２０２１年１０月に心筋梗塞で３０日間入院し、その間に約款に定められた所定の手術（給付倍率４０倍）を受けたが死亡した場合、支払われる保険金・給付金の合計は（　ア　）万円である。

・ 寛子さんが２０２１年１０月に自転車転倒による骨折で１０日間入院し、その間に約款に定められた所定の手術（給付倍率１０倍）を受けた場合、支払われる保険金・給付金の合計は（　イ　）万円である。

・ 文彦さんが２０２１年１０月にがんで余命６ヵ月以内と判断された場合、リビング・ニーズ特約を利用して請求できる最大金額は（　ウ　）万円である。

＜資料１＞


＜資料２＞

生命保険の保障内容に関する問題です。

心筋梗塞により入院・手術後に死亡した場合、＜資料１＞の定期保険特約付終身保険からは終身保険・定期保険特約・手術給付金付疾病入院特約によってそれぞれ保険金・給付金が支給されます。
生命保険の傷害特約や災害割増特約・災害入院特約は、不慮の事故による死亡や身体障害・高度障害が支払対象です（傷害特約は身体障害の程度に応じて給付）ので、心筋梗塞等の病気が原因で死亡した場合は支払対象外です。

疾病入院特約は、入院開始目から支給されるため、30日間入院した場合は、30日間が支給対象期間です。
また、手術給付金付疾病入院特約により、入院給付金日額の40倍の手術給付金が支払われます。

よって、心筋梗塞で手術１回、30日間入院後に死亡した場合に、＜資料１＞の保険から支払われる保険金合計額は、
終身500万円＋定期2,000万円＋疾病0.5万円×30日間＋手術0.5万円×40
＝500万円＋2,000万円＋15万円＋20万円＝2,535万円 　となります。

なお、＜資料２＞の保険は、被保険者が文彦さんではなく寛子さんであり、各種特約も「本人型」ですので、文彦さんが入院・手術・死亡した場合は支払対象外です。

次に、交通事故により入院・手術をした場合、＜資料２＞の定期保険特約付終身保険からは災害入院特約によって、入院給付金が支払われます。
※災害入院特約の給付対象：交通事故、薬品等による中毒、自然災害や火災による入院　等

なお、疾病入院特約は、通常病気の治療を目的とした入院が対象ですので、支給対象外です。

災害入院特約は、入院開始日から支給されるため、10日間入院した場合は、10日間が支給対象期間です。
また、災害入院特約により、所定の給付倍率に該当する手術のため、入院給付金日額の10倍の手術給付金が支払われます。
入院給付金合計額は、災害0.5万円×10日間＋手術0.5万円×10＝10万円

なお、＜資料１＞の保険は、被保険者が寛子さんではなく文彦さんであり、各種特約も「本人型」ですので、寛子さんが入院・手術した場合は支払対象外です。

最後に、リビング・ニーズ特約とは、余命６ヶ月以内と診断された場合に死亡保険金を生きている間に受け取れる特約ですが、支払われる保険金は上限3,000万円で、契約している死亡保険金が3,000万円以下の場合は、契約している保険金額が上限となります。
本問の場合、＜資料１＞の保険で終身保険と定期保険により支払われる死亡保険金の合計が2,500万円ですので、リビングニーズ特約で請求できる最大金額は2,500万円です。

以上により正解は、(ア)2,535(万円)　(イ)10(万円)　(ウ)2,500(万円)

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