問10 2021年9月基礎
問10 問題文
終身保険の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中の一定期間における解約返戻金額および死亡保険金額が通常の終身保険に比べて低く抑えられているため、割安な保険料が設定されているが、低解約返戻金期間満了後は通常の終身保険の解約返戻金額および死亡保険金額と同じ水準になる。
2) 積立利率変動型終身保険は、払込保険料に付利する積立利率が一定期間ごとに見直されるが、通常、積立利率には最低保証がある。
3) 契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人、死亡保険金受取人を被相続人の子とする米ドル建て終身保険において、死亡保険金を米ドルで受け取った場合、当該相続人は死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることはできない。
4) 市場価格調整(MVA)機能を有する終身保険の解約返戻金は、解約時の市場金利が契約時と比較して上昇した場合には減少し、下落した場合には増加することがある。
問10 解答・解説
各種保険の一般的な特徴に関する問題です。
1) は、不適切。低解約返戻金型の終身保険とは、保険料払込期間などの解約返戻金減額期間における解約返戻金額が一般的な終身保険より低い終身保険ですが、死亡保険金等そのほかの保障内容は通常の終身保険と同じです。なお、保険料払込期間経過後は、通常の終身保険と同程度の解約返戻金となります。
2) は、不適切。利率変動型積立終身保険(アカウント型保険)は、主契約の積立金に対する適用利率が契約後一定期間ごとに見直しされますが、最低保証利率が設定されているため、保険料の払込満了後は、契約当初に決めた保険金・解約返戻金の額を受け取ることができます。
問題文のように、払込保険料にその都度付利されるわけではなく、保険料の積立金に対して付利されるわけです。
3) は、不適切。外貨建ての保険であっても、それぞれの適用要件を満たせば生命保険料控除や死亡保険金の非課税が適用されますが、適用する際は、支払った保険料や受け取った保険金を、外貨から円に換算して計算します。
4) は、適切。市場価格調整(MVA)とは、解約返戻金が解約時の市場金利に応じて増減する仕組みのことで、終身保険・個人年金保険・養老保険等で利用されます。
保険が中途解約されると、保険会社は運用中の債券を売却して解約返戻金を捻出しますが、金利が上がれば債券価格は下落し、金利が下がると債券価格は上昇します。
従って、解約時の市場金利が契約時より上昇していると、解約返戻金が減少し、下落していると増加することがあるわけです。
※MVA=Market Value Adjustment(市場価格調整)
よって正解は、4
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