問16 2021年9月基礎
問16 問題文
景気動向指数に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 景気動向指数のCI(コンポジット・インデックス)は、主として景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的としており、景気の拡張局面では50%を上回り、景気の後退局面では50%を下回る傾向がある。
2) 内閣府が公表する消費者態度指数は、今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識を調査して数値化した指標であり、先行系列に採用されている。
3) 国土交通省が公表する新設住宅着工床面積は、住宅の建築着工状況を集計した指標であり、一致系列に採用されている。
4) 有効求人倍率(除学卒)は、先行系列に採用されており、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、2020年4月以降、1.0倍を下回る状態が続いている。
問16 解答・解説
経済指標に関する問題です。
1) は、不適切。CIは複数の経済指標の前月と比べた変化率を合成して作成され、景気変動の大きさや量感を測定します。50%を下回る直前の月が「景気の山」、50%を上回る直前の月が「景気の谷」として、景気の山・谷判断に用いられるのは、ヒストリカルDIです。
2) は、適切。消費者態度指数は、内閣府が毎月の消費動向調査で公表している、消費者マインドを指数化した経済指標で、実際の消費に対して先行して推移することから、景気の動きから先行して動く、先行指数です。
3) は、不適切。国土交通省が公表する建築着工統計は、全国の建築物の着工状況として建築物の数・床面積の合計・工事費予定額等を調査した統計です。この統計のうち新設住宅着工床面積は、住宅の建築着工状況を利用形態や構造等に分類・集計した指標ですが、住宅の建築数は「今後景気が良くなって収入が安定・増加するだろうか?」という見通し次第で変わりますから、景気の動きから先行して動く、先行指数です。
4) は、不適切。有効求人倍率は、雇用の需給関係を表すものとして、月間の有効求人数と有効求職者数を基に算出され、景気の動きに一致して動く一致指数です。2019年末は1.57倍だったものが、2020年は新型コロナウィルスの影響により、1.04倍まで低下し、横ばいを続けています。
よって正解は、2
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