問39 2021年9月基礎
問39 問題文
「固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例」(以下、「本特例」という)の適用に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。なお、各ケースにおいて、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。また、AさんとBさんとは親族等の特殊な関係にないものとする。
(a) Aさんが、所有する建物(時価200万円)とその敷地たるX土地(時価1,800万円)を、Bさん所有のY土地(時価2,000万円)と交換した場合、AさんとBさんはいずれも土地の部分については本特例の適用が受けられ、建物の部分(時価200万円)については交換差金となり、Aさんは建物を200万円で譲渡し、BさんはY土地のうち200万円相当額を譲渡したとして、それぞれ譲渡所得の課税対象となる。
(b) Aさんが、X土地(Aさんの持分3分の1、Bさんの持分3分の2)のうちのAさんの持分3分の1(時価1,000万円)を、Bさん所有のY土地(時価1,000万円)と交換して、X土地をBさんの単独所有、Y土地をAさんの単独所有とした場合、AさんとBさんはいずれも本特例の適用が受けられる。
(c) Aさん所有の土地(時価2,000万円)とBさん所有の土地(時価2,000万円)を交換した場合において、Aさんが、交換により取得した土地を取得後、同一の用途に供することなく、直ちに売却したときは、AさんとBさんの双方が本特例の適用を受けることができなくなる。
1) 1つ
2) 2つ
3) 3つ
4) 0(なし)
問39 解答・解説
固定資産の交換の特例に関する問題です。
(a) は、適切。固定資産の交換の特例では、互いの交換する固定資産の差額が、時価の高い方の固定資産の20%以内であることが必要です。また、固定資産の交換の特例は、土地や建物などの固定資産を同じ種類の固定資産と交換したときは、譲渡がなかったものとする特例ですから、Aさんの譲渡資産である底地1,800万円と、交換取得資産である土地2,000万円については、高い方2,000万円×20%=400万円≧差額200万円 ですので、特例適用が可能です。
また、固定資産の交換の特例において、土地と建物を一括で交換した際、土地と建物のそれぞれの差額は交換差金として譲渡所得の課税対象となります。
よって、Aさんは建物を200万円で譲渡し、Bさんは土地200万円分を譲渡したとみなされます。
(b) は、適切。固定資産の交換の特例では、互いの交換する固定資産の差額が、時価の高い方の固定資産の20%以内であることが必要です。土地の共有持分の解消を目的とする場合、交換対象の時価の差額が高い方の20%以内であることが必要であるため、本問のように時価評価が同額であれば、交換する両者が特例の適用対象です。
(c) は、不適切。交換取得した資産を取得後すぐに売却や取り壊しをすると、交換取得した資産を同一の用途に供したことにはならず、固定資産の交換特例の適用を受けることができません。
しかし、交換相手も同時に適用されなくなるわけではないので、Bさんは交換取得した資産を所有し続けるならば、固定資産の交換の適用を受けることができます。
よって正解は、2
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