問45 2021年9月基礎
問45 問題文
遺留分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 推定相続人の1人が相続開始前に遺留分の放棄をした場合、その者は、その相続に関して、初めから相続人とならなかったものとみなされる。
2) 推定相続人の1人が相続開始前に遺留分の放棄をした場合、他の相続人の遺留分の額は増加する。
3) 遺留分を算定するための財産の価額に算入される贈与の範囲は、原則として、相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産(非課税財産を除く)に限られる。
4) 遺留分権利者は、受遺者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができるが、受遺者が金銭を準備できない場合、当該受遺者は、裁判所に対して、金銭債務の全部または一部の支払につき、一定期間の猶予を請求することができる。
問45 解答・解説
遺留分に関する問題です。
1) は、不適切。家庭裁判所の許可を得ることで、相続の開始前(被相続人の生存中)に、遺留分を放棄することができます。ただし、相続の放棄は、相続開始前(被相続人の生前)にはできませんので、遺留分を生前放棄していても、相続人としての権利は失いません。
2) は、不適切。推定相続人の1人が相続開始前に遺留分を放棄した場合でも、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさないため、他の相続人の遺留分が増加するわけではありません。
3) は、不適切。遺留分算定の基礎財産については、相続開始前の1年間にした贈与について算入します。なお、それ以前のものについても、当事者双方が遺留分権利者に損害を与えることを知った上で行った場合には、算入します。
4) は、適切。遺留分権利者は、遺言に基づいて財産を受け取る受遺者に対し、遺留分侵害額相当額を請求可能ですが、受遺者が金銭を準備できない場合には、裁判所に対して、金銭債務の全部・一部について、一定期間の猶予を請求可能です。
よって正解は、4
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