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2021年10月2日実技part2

2021年10月2日実技part2

part2 問題文

●設 例●
Aさん(59歳、会社員)は、大都市圏M市内の戸建て住宅において、妻Bさん(54歳、専業主婦)と長女Cさん(21歳、大学生)の3人で暮らしている。
昨年10月、Aさんの故郷である地方都市S市の実家(土地・建物)で1人暮らしをしていた母親が亡くなった。父親は5年前に他界している。相続人はAさんのみであり、母親が所有し居住していた実家と預貯金2,000万円を相続により取得した。
Aさんは、現在空き家となっている実家を今後どうすべきか悩んでいる。両親が長く暮らし、娘を連れてよく遊びに行った思い出のある実家であり、すぐに売却して、処分してしまうのには多少のためらいがある。とはいえ、空き家のままにしておくのは管理の負担からできれば避けたいと思っている。
不動産会社に勤務する知人に相談したところ、「S市は、自然に囲まれ、子育て世代に人気が高い。最近では、都市部と地方部に2つの生活拠点を持つ二地域居住を希望する人や、在宅勤務制度を取り入れた企業が増えて都市部から地方部への移住を希望する人も増えていることから、実家を売却するのであれば購入者も見つかるだろう。また、賃貸することも可能ではないか」とアドバイスされた。
Aさんは、不動産投資の経験はないが、間もなく迎える退職後の生活を考え、安定的な収入を得られる賃貸マンションの購入にも関心があることを知人に伝えると、「実家を売却するなら、その売却資金で投資用マンションを購入するのもいいかもしれない。投資用マンションの購入は相続対策にもなる」とアドバイスされ、下記のマンションを紹介された。
Aさんは、それぞれのメリット・デメリットを十分に確認したうえで、実家をどうするか、売却する場合は売却代金の運用方法について決めたいと考え、FPに相談することにした。

【Aさんが相続した実家(土地・建物)の概要】
・土地:第一種住居地域、地積300u、固定資産税評価額2,000万円
・建物:木造2階建て、延べ面積130u、4LDK、築42年、固定資産税評価額300万円
・20年前に建物の外壁と屋根を補修、15年前に水回りの取替工事とバリアフリー化の工事を行っている。
・知人によれば、月額10万円程度の家賃で賃貸することができる見込みとのこと。ただし、片付けや清掃、部分的な補修繕が必要となる。また、売却する場合、建物価格はゼロ、土地は3,000万円程度で売却することができる見込みとのこと。

【知人から紹介された投資用マンションの概要】
・鉄筋コンクリート造10階建て、総戸数50戸、築10年、最寄駅から徒歩5分
・物件は5階に所在、専有面積50u、2LDK、価格3,700万円(土地1,600万円、建物2,100万円)
・想定賃料月額12万円、諸経費(固定資産税・都市計画税、損害保険料、マンション管理組合に支払う管理費・修繕積立金(月額15,000円)を含む)控除後の年間の収入(手取り)は約110万円

(FPへの質問事項)
1.Aさんに対して、最適なアドバイスをするためには、示された情報のほかに、どのような情報が必要ですか。以下の(1)および(2)に整理して説明してください。
(1)Aさんから直接聞いて確認する情報
(2)FPであるあなた自身が調べて確認する情報
2.知人からAさんに示された実家を賃貸する案と、売却して投資用マンションに買い換える案について、Aさんにどのようなアドバイスをしますか。
3.実家を売却して投資用マンションに買い換える場合の課税関係を説明してください。
4.本事案に関与する専門職業家にはどのような方々がいますか。

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part2 ポイント解説

1. アドバイスに当たって必要な情報

(1) Aさんから直接聞いて確認する情報
今回の不動産投資でAさんが希望する利回りや、引き受け可能なリスクについて、確認することが必要。
また、実家を賃貸する場合には片付けや清掃、補修繕等の雑務を負担する必要があるため、本人や配偶者の意向を確認しておきたい。

(2) FP自身が調べて確認する情報
顧客が関知していない状況や、忘れている事項がある可能性もあるため、物件の登記簿と、現地の確認を行うことで、所有権・抵当権等の権利状況や土地・建物の物理的状況を、実際に確認することが必要。
また、用途地域・地方自治体の都市計画等を確認し、今後の開発予定・環境変化を把握することが必要である。
本問の場合、Aさんには不動産投資の経験がないため、実家や紹介された投資用マンションの所在地の賃貸事情について、不動産会社を通じた情報収集も必要である。

2.実家を賃貸する案と売却して投資用マンションに買い換える案へのアドバイス

●実家を賃貸する案へのアドバイス
実家を賃貸するメリットとしては、思い出のある実家をそのまま維持することが可能であり、新たな費用負担は当面の間発生せずに賃貸収入を得ることができる点が挙げられる。デメリットとしては、片付けや清掃、部分的な補修繕に加えて、賃借人や不動産仲介業者とのやり取りが必要となるなど、賃貸不動産業としての様々な雑務が発生する点が挙げられる。不動産業に関する雑務は管理会社に委託することも可能だが、その分手取りの賃貸収入は減少する。
雑務に関しては専業主婦である妻の協力も得ることも検討に値するため、その点も含めて家族間で調整を進めることを提案する。

●実家を売却して投資用マンションに買い換える案へのアドバイス
実家を売却して投資用マンションに買い換えるメリットとしては、片付けや清掃、補修繕等はほぼ不要であり、手間をかけずに賃貸収入を得られる点と、実家の売却代金3,000万円を超過した700万円分に関しても、現預金として保持しておくよりも、貸家建付地・貸家としての相続税評価額や小規模宅地の特例等により減額評価される点が挙げられる。デメリットとしては、実家の売却代金だけでは購入資金に満たないため、自己資金や借入金等により不足分700万円を用意することが必要であることと、手取りの賃貸収入が実家を賃貸するよりもやや少ないことが挙げられる。また、売却する場合は建物価格はゼロであり、思い出のある実家を残せない可能性が高いこともデメリットの1つである。
立地としては最寄駅から徒歩5分で築10年であることから、資産価値は今後も維持されると思われるため、実家を残せないことや追加資金が必要であることを家族間でよく考慮して判断することを提案する。

3. 実家を売却して投資用マンションに買い換える場合の課税関係

本問の場合、相続してから空き家として放置していた実家の売却であることから、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除の適用を受けることで、大幅に譲渡所得税の負担を軽減可能。
空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除は、相続や遺贈で取得した被相続人の居住用住宅を、相続開始日から3年後(その年の12月31日)までに、売却額1億円以下で譲渡すると適用されるが、知人の見込み通りの売却代金3,000万円であれば、特例適用が可能となると思われる。

なお、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除は、居住用財産の3,000万円特別控除や買換え特例のいずれかと併用可能であるが、本問の場合は投資用マンションへの買換えであり自己の居住用ではないため、買換え特例を適用して取得価額を引き継ぐことはできない。

4. 関与すべき専門職業家

甲土地・建物の売却や投資用マンションの購入における、土地・建物の所有権移転登記等については司法書士課税上の取扱いに関する具体的な税務相談については税理士、不動産売買の媒介等の宅地建物取引業法に規定する業務に該当するものについては、宅地建物取引士が適当。
なお、甲建物を取り壊してから譲渡する場合の建物の滅失登記・表題登記については土地家屋調査士が適当。

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