問11 2022年1月基礎
問11 問題文
生命保険契約および損害保険契約の課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、契約者(=保険料負担者)および被保険者は同一人であり、契約者は個人であるものとする。また、記載のない事項については考慮しないものとする。
1) 保険料を全期前納により払い込んだ養老保険(10年満期)を契約から4年後に解約した場合、当該解約返戻金は一時所得の収入金額として総合課税の対象となる。
2) 一時払終身保険を契約から4年後に解約した場合、当該解約返戻金は一時所得の収入金額として総合課税の対象となる。
3) 一時払変額個人年金保険(10年確定年金)を契約から4年後に解約し、解約差益が生じた場合、その解約差益は源泉分離課税の対象となる。
4) 保険料を年払いにより払い込んでいる年金払積立傷害保険(給付金支払期間5年)を契約から10年後に解約した場合、当該解約返戻金は一時所得の収入金額として総合課税の対象となる。
問11 解答・解説
生命保険・損害保険の税務に関する問題です。
1) は、不適切。金融類似商品として受取差益が源泉分離課税されるのは、保険料の支払いが一時払いのもののほか、契約日から1年以内に保険料総額の50%以上を払い込むものや、契約日から2年以内に保険料総額の75%以上を払い込むものも含みます。
全期前納は、全期間分の保険料を保険会社に預ける形で支払いますので、一時払いに準ずるものとして、5年以内に解約すると源泉分離課税の対象となります。
2) は、適切。一時払の養老保険や個人年金保険・変額個人年金などを契約から5年以内に解約(満期による契約満了含む)した場合、金融類似商品として受取差益に20.315%の源泉分離課税となります(復興特別所得税を含む)。
ただし、金融類似商品の対象条件の一つとして、死亡保険金額が満期保険金額の一定倍率以下とされていますので、満期のない終身保険(終身年金)は該当しません。
従って、一時払終身保険を5年以内に解約した場合、解約返戻金は一時所得の収入金額として総合課税の対象です。
3) は、適切。一時払の養老保険や個人年金保険・変額個人年金などを契約から5年以内に解約(満期による契約満了含む)した場合、金融類似商品として受取差益に20.315%の源泉分離課税となります(復興特別所得税を含む)。
4) は、適切。年金払積立傷害保険は、一定期間保険料を支払い、ケガによる死亡・後遺障害を補償しつつ、途中から一定期間年金(給付金)を受け取れる保険で、個人年金同様、解約返戻金は一時所得として総合課税の対象となり、年金(給付金)については雑所得として総合課税の対象となります。
よって正解は、1
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