問16 2022年1月基礎
問16 問題文
米国の経済指標・金融政策に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 米国のISM製造業景況感指数は、製造業の購買担当責任者を調査対象にした企業の景況感を反映した指標であり、一般に、50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退と判断される。
2) 米国の雇用統計は、米国の労働省から毎月発表され、非農業部門雇用者数や失業率などの数値は、株式市場や為替市場などの市場参加者が注視する指標である。
3) 連邦準備制度理事会(FRB)が開催する連邦公開市場委員会(FOMC)は、2020年3月、2回の利下げを行い、フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を0.00〜0.25%に引き下げた。
4) テーパリングとは、量的緩和策による金融資産の買入額を徐々に減らしていくことであり、2021年11月の連邦公開市場委員会(FOMC)にて、テーパリングが終了したことが示された。
問16 解答・解説
経済指標・金融政策に関する問題です。
1) は、適切。ISM製造業景況感指数は、全米供給管理協会(ISM=Institute for Supply Management)が算出するアメリカ製造業の景況感を示す指数で、50%を上回ると景気拡大、50%を下回ると景気後退と判断されます。
2) は、適切。米国の雇用統計は、米国労働省が毎月発表する、非農業部門雇用者数や失業率等の経済指標で、その数値は株式や為替等の市場参加者が注視する重要な経済指標です。
3) は、適切。各中央銀行は、政策金利や現金・預貯金の量を操作するための金融政策を決定しますが、アメリカでは連邦準備制度理事会(FRB)が開催する連邦公開市場委員会(FOMC)が、政策金利の目安であるフェデラル・ファンド・レート(FFレート)を、目標とした政策金利に誘導するように、金融政策を決定しています。2020年3月は新型コロナウイルスの感染拡大などを受けて、臨時会合により2回の利下げ(誘導目標0.00〜0.25%)が行われました。
※FFレート:連邦準備制度に預け入れる無利息の準備金(フェデラル・ファンド)を、市中銀行同士で取引する際の金利。
4) は、不適切。テーパリングは、量的緩和策による金融資産の買入額を徐々に減らす金融引締め政策ですが、2021年11月の連邦公開市場委員会(FOMC)において、テーパリングが開始されました。
新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、アメリカは2020年3月に金利をゼロにまで引き下げましたが、それだけでは経済不安を抑えるには緩和不足のため、金融機関が保有する国債や住宅ローン担保証券(MBS)を購入して、市中への資金供給を増やす量的緩和策を実施しました。その後、新型コロナウィルスの感染は続いているものの、経済は落ち着きを見せたことから、金融政策も非常時から平時に移行すべく、資産購入額を徐々に減らすテーパリングを開始しました。
よって正解は、4
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