問31 2022年1月基礎
問31 問題文
青色申告法人の欠損金の繰越控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、法人は資本金の額が5億円以上の法人に完全支配されている法人等ではない中小法人等であるものとし、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
1) 欠損金の繰越控除の適用を受けるためには、欠損金の生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後において、連続して確定申告書を提出する必要がある。
2) 繰り越された欠損金額が2以上の事業年度において生じたものからなる場合、そのうち最も古い事業年度において生じた欠損金額に相当する金額から順次損金の額に算入する。
3) 2012年4月1日に開始した事業年度以後の各事業年度において生じた欠損金額は、2021年4月1日に開始する事業年度において損金の額に算入することができる。
4) 資本金の額が1億円以下である普通法人が、2021年4月1日に開始する事業年度において欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、当該事業年度の所得の金額の50%相当額が限度となる。
問31 解答・解説
欠損金の繰越控除に関する問題です。
1) は、適切。青色欠損金の繰越控除を受ける場合、翌事業年度以降も確定申告しなければなりません。なお、翌事業年度移行は青色申告でなく白色申告でも適用されます。
2) は、適切。欠損金の繰越控除は、最も古い事業年度の欠損金から控除し、損金算入します。
3) は、適切。資本金の額に関わらず、欠損金の繰越控除の期間は、2018年度以降は10年間ですが、これは今まで少しずつ延長されてきたものであり、2002年度以降が7年間、2008年度以降が9年間です。従って、2012年4月1日に開始した事業年度以後の欠損金のうち、2012年度分を損金算入できるのは2021年度分までです。
4) は、不適切。青色申告をしている資本金1億円以下の中小企業等であれば、欠損金の繰越控除として、各事業年度の所得金額を限度に、損金算入できます。なお、資本金1億円超の法人は、2018年4月1日以後の事業年度では、欠損金の繰越控除は各事業年度の所得金額の50%が限度です。
よって正解は、4
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