問32 2022年1月基礎
問32 問題文
消費税の簡易課税制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 簡易課税制度の適用を受けようとする事業者は、原則として、その適用を受けようとする課税期間の初日から2カ月以内に、消費税簡易課税制度選択届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
2) 消費税簡易課税制度選択届出書を提出した事業者は、原則として、事業を廃止した場合を除き、提出日の属する課税期間の翌課税期間の初日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、簡易課税制度の適用を受けることをやめようとする旨の届出書を提出することができない。
3) 簡易課税制度の適用を受けようとする事業者が、高額特定資産の仕入れ等を行った場合、当該資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から同日以後5年を経過する日の属する課税期間の初日の前日までの期間は、消費税簡易課税制度選択届出書を提出することができない。
4) 2種類以上の事業を営む事業者が、当該課税期間における課税売上高を事業の種類ごとに区分していない場合には、事業の種類にかかわらず、最も低い第六種事業のみなし仕入率(40%)が全体の課税売上に対して適用される。
問32 解答・解説
消費税に関する問題です。
1) は、不適切。消費税の簡易課税制度の適用を受けるには、適用を受ける課税期間(通常、個人は暦年、法人は事業年度)の開始日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を納税地の所轄税務署長に提出することが必要です。
つまり、簡易課税制度を利用したい 、というときは、届出をしても適用されるのは次の事業年度からということです。
ただし、新たに事業を開始した場合には、事業開始の課税期間の末日までに提出すれば、その課税期間から効力が生じ、簡易課税事業者となることができます。
2) は、適切。消費税の簡易課税制度を選択した場合、2年間は変更できません(事業廃止・災害等を除く)。
3) は、不適切。新たに課税事業者を選択し、課税事業者となることを強制される2年の間に高額特定資産を購入したときは、原則としてその購入した課税期間以後3年間は、免税事業者となることも、簡易課税制度を選択することもできません。
なお、高額特定資産とは、棚卸資産や調整対象資産のうち、税抜価格が1,000万円以上のものです。
※調整対象資産:建物・構築物・機械および装置・船舶・航空機・車両および運搬具・工具・器具および備品その他の資産で、税抜価格が100万円以上のもの(税込経理処理をしている業者でも税抜で判断します)。
4) は、不適切。消費税の簡易課税制度は、実際に仕入れ等で支払った消費税額を計算せずに、一定のみなし仕入れ率で控除対象仕入れ税額を計算できる制度ですが、簡易課税制度では、業種を第1種〜第6種までの6つに区分しており、それぞれみなし仕入れ率が異なります。2種類以上の事業を兼業している場合、1つの事業の課税売上高が全体の課税売上高の75%以上を占めていれば、その事業のみなし仕入率を他の事業に対しても適用可能です。ただし、課税売上げを事業ごとに区分していない場合には、その区分していない事業の中で一番低いみなし仕入率が全体の課税売上に適用されます。
問題文では「事業の種類にかかわらず40%適用」としてる点が不適切で、例えば卸売業90%・小売業80%・製造業等70%という事業を兼業している場合、製造業等70%のみなし仕入率が全体に適用されるわけです。
よって正解は、2
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