問35 2022年1月基礎
問35 問題文
借地借家法の定期借地権および定期建物賃貸借に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 存続期間を10年以上30年未満とする事業用借地権を設定する場合には、設定契約時に契約の更新および建物の築造による存続期間の延長がなく、建物の買取請求権を排除する旨を特約として定める必要がある。
2) 借主側から、2010年に設定した存続期間15年の事業用借地権の存続期間を5年延長したいとの申出があった場合、貸主と借主の双方の合意があれば、存続期間を延長することができる。
3) 定期建物賃貸借契約は、その契約期間の長短にかかわらず、賃借人に対して、期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をする必要はなく、その期間が満了すれば、当然に建物の賃貸借は終了し、賃借人は退去しなければならない。
4) 自己の居住の用に供するために賃借している建物(床面積が200u未満)の定期建物賃貸借契約において、親の介護により建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、賃借人は、解約の申入れの日から3カ月後に当該賃貸借を終了させることができる。
問35 解答・解説
定期借地権・定期借家契約に関する問題です。
1) は、不適切。事業用定期借地権等には、存続期間10年以上30年未満と、30年以上50年未満の2種類があり、借地権存続期間30年以上50年未満の事業用定期借地権は、契約更新無し・建物再築による存続期間延長無し・満了時の建物買取請求権無しとする特約を付加することが必要ですが、10年以上30年未満の事業用借地権では、特約無しで契約更新無し・建物再築による存続期間延長無し・満了時の建物買取請求権無しが認められます。
2) は、適切。事業用定期借地権等は、契約の更新はできませんが、貸主と借主双方の合意があれば、存続期間の延長は可能です(当初の設定日から法定期間を超えることは不可)。
3) は、不適切。定期借家契約では、賃貸人は賃借人に対し、あらかじめ、契約の更新がなく期間満了により賃貸借が終了することを、書面を交付して説明しなければなりません。なお、説明していなかった場合、期間満了時に賃借人から契約の更新の請求があったとき、正当事由がない限り、拒絶できません。
4) は、不適切。定期借家契約では、床面積200u以下の居住用建物に限り、正当事由(※)があれば、特約無しで中途解約可能ですが、契約終了となるのは申入れ日から1ヶ月経過後です。
(※)転勤・療養・親族の介護等のやむを得ない事情により、生活の本拠として使用することが困難となった場合等
よって正解は、2
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