問49 2022年1月基礎
問49 問題文
個人が相続により取得した金融資産等の相続税評価に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 個人向け国債は、課税時期において中途換金した場合に取扱金融機関から支払を受けることができる価額により評価する。
2) 被相続人が銀行で購入した証券投資信託は、原則として、課税時期の1口当たりの基準価額または課税時期の属する月以前3カ月間の毎日の1口当たりの基準価額の各月ごとの平均額のうち最も低い価額に所有口数を乗じた金額により評価する。
3) 被相続人が自宅の金庫で保管していた外貨(現金)の邦貨換算は、原則として、相続開始の日における相続人の取引金融機関が公表する最終の対顧客直物電信買相場(TTB)またはこれに準ずる相場による。
4) 取引相場のないゴルフ会員権のうち、株主でなければゴルフクラブの会員となれない会員権(取引相場のない株式制会員権)は、取引相場のない株式の評価方式の定めにより評価する。
問49 解答・解説
金融資産の相続税評価に関する問題です。
1) は、適切。個人向け国債は、課税時期に中途換金した場合の払い戻し額で評価します(個人向け国債は中途換金すると直前2回分の利子相当額×0.79685が差し引かれるため、発行価額+既経過利息(購入日から相続開始日までの利息)よりも少ない評価額となる)。
2) は、不適切。証券投資信託の受益証券は、課税時期において解約請求や買取請求により証券会社等から支払われる価額により評価します。なお、ETFやJ-REITといった金融商品取引所に上場されている投資信託は、上場株式の評価方法に準じて評価(相続発生日の終値、相続の発生月・前月・前々月の各終値月平均のうち、最も低い額)します。
3) は、適切。相続税評価の際、外貨建て資産は円換算して評価することが必要ですが、原則としてその資産を取引している金融機関の課税時期におけるTTBレートで評価します。
なお、顧客が円を外貨に換える際の為替レートはTTSで、顧客が外貨を円に換える際の為替レートがTTBです(TTMは手数料上乗せ前のレート(仲値))。
TTS…「顧客が円売り」もしくは「銀行が外貨売り」ですので、「売り」=Sell
TTB…「顧客が円買い」もしくは「銀行が外貨買い」ですので、「買い」=Buy
4) は、適切。規約により相続や譲渡を禁じているといった、取引相場のないゴルフ会員権のうち、ゴルフクラブの会員となるために株主であることが必要な会員権(取引相場のない株式制会員権)は、類似業種(他のゴルフクラブ)やゴルフクラブの純資産といった、取引相場のない株式と同じ方法で評価します。
よって正解は、2
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