問8 2022年5月基礎
問8 問題文
キャッシュ・フロー計算書(間接法)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 「売上高の減少」「販売費及び一般管理費の増加」は、営業活動によるキャッシュ・フローが減少する要因となる。
2) 「有形固定資産の取得」「投資有価証券の取得」は、投資活動によるキャッシュ・フローが減少する要因となる。
3) 「自己株式の取得」「社債の償還」は、財務活動によるキャッシュ・フローが減少する要因となる。
4) 「借入金の返済」は、フリー・キャッシュ・フローが減少する要因となる。
問8 解答・解説
キャッシュフロー計算書に関する問題です。
1) は、適切。キャッシュフロー計算書は、企業の収入と支出(キャッシュフロー(CF))を営業活動・投資活動・財務活動ごとに区分して表示したもので、営業活動によるキャッシュフローは、本業による収入と支出を表します。「売上高の減少」や「売上債権の増加」は、売上が減ったり代金未収が増加といった本業における収入減であり、「販売費及び一般管理費の増加」は、経費増という本業における支出増であることから、いずれも営業活動によるキャッシュフローが減少する要因となります。
2) は、適切。投資CFは、固定資産や株・債券などの取得・売却時の収入と支出を表します。「有形固定資産の取得」や「投資有価証券の取得」は、土地や建物、債券の購入といった投資活動による支出増のため、投資活動によるキャッシュフローの減少要因です。
3) は、適切。財務CFは、借入金による調達や返済、自社の株や債権に関する収入と支出を表します。「自己株式の取得」や「社債の償還」は、自社株買いや債務の弁済といった財務活動による支出増のため、財務活動によるキャッシュフローの減少要因です。
4) は、不適切。フリー・キャッシュ・フローは、企業が事業活動で得た資金のうち、自由に使える金額を表すもので、営業CF+投資CF=フリーCF です。「借入金の返済」は、借入金による調達や返済、自社の株や債権に関する収入と支出といった財務活動によるキャッシュフローの減少要因であり、営業CFや投資CFに該当しないため、フリーキャッシュフローにも影響しません。
事業運営上は、営業CFと投資CFをプラスにして、フリーCFの範囲内で借入金を返済することを検討することになります。
よって正解は、4
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