問44 2022年5月基礎
問44 問題文
民法における遺言に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 相続人が自筆証書遺言を発見し、家庭裁判所の検認を受ける前に開封した場合、その遺言は無効となる。
2) 自筆証書遺言を作成した遺言者が、その遺言内の記載について加除その他の変更を加える場合、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
3) 公正証書遺言を作成する場合、証人2人以上の立会いが必要であるが、遺言者の推定相続人および受遺者ならびにこれらの配偶者および直系血族は、この証人になることはできない。
4) 公正証書遺言は、原本が公証役場に保管されており、遺言者が公正証書遺言の正本を破棄したとしても、遺言を撤回したものとはみなされない。
問44 解答・解説
遺言に関する問題です。
1) は、不適切。検認とは、遺言の有効・無効を判断する手続ではなく、相続人に遺言の存在・内容を知らせ、遺言書の形状や修正の有無、日付、署名等を明確にし、遺言書の偽造・変造を防止する手続です。
従って、検認前に遺言を開封しても、遺言書自体は有効ですが、5万円以下の過料に処されることがあります(封印された遺言書は、家庭裁判所で相続人や代理人等の立会いの上で開封することが必要です。 )。
2) は、適切。自筆証書遺言の内容を変更する場合、遺言者が変更箇所を示し、変更した旨と変更内容を付記した上で署名し、変更箇所への押印が必要です。
具体的には、追記の場合は「{ 」のしるしで示し、削除・訂正の場合は二本線で消し、正しい文言を記載します。その後変更した部分の欄外や遺言書の末尾にどの部分を変更したかを記載し、変更箇所に押印して完了です。
3) は、適切。公正証書遺言は、作成時に2名以上の証人の立会いが必要ですが、推定相続人や受遺者等は証人になれません(受遺者:遺言で財産を受け取る予定の人)。
つまり、遺言の内容に対して利害がある人(配偶者や親族等)は証人になれないわけです。
4) は、適切。遺言者が故意で遺言書を破棄すると、破棄した部分は、遺言を撤回したものとみなされますが、公正証書遺言の場合、遺言者の手元にある遺言の正本を破棄しても、原本が公証役場にあるため、遺言を撤回したとみなされません。
●原本:作成者が最初に作成した文書
●正本:原本をもとに、原本と同一の効果があるものとして作成されたもの
よって正解は、1
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