問13 2022年9月実技(資産設計)
問13 問題文
徹さんの兄の隆さんは自宅(戸建て)を建て替えることを検討している。隆さんの自宅の土地は下記<資料>のとおりである。建築基準法に従い、この土地に建物を建築する場合の延べ面積(床面積の合計)の最高限度を計算しなさい。なお、記載のない条件については一切考慮しないこととする。また、解答に当たっては、解答用紙に記載されている単位に従うこと。
<資料>
※指定容積率および指定建蔽率とは、それぞれ都市計画で定められたものをいう。
※幅員2mの市道は、建築基準法第42条第2項道路であり、当該土地は建築物の建築に当たってセットバック(後退)を要する。なお、当該市道は幅員に変化はなく、中心線は現況の市道の中央である。
※この土地は、前面道路幅員による容積率の制限に係る特定行政庁が指定する区域ではない。
問13 解答・解説
延べ面積の上限に関する問題です。
延べ面積の上限=土地面積×その土地の容積率 ですが、建ぺい率同様、建築物の敷地が、容積率の異なる2つ以上の地域にわたる場合、敷地全体の延べ面積の上限は、「各地域の面積×各容積率」の合計となります。
ただし、容積率は、前面道路の幅が12m未満の場合に、用途地域によって制限されます。
住居系用途地域の場合……前面道路幅×4/10
その他の用途地域の場合…前面道路幅×6/10
この計算式結果と指定容積率を比べて、小さいほうが容積率の上限です。
問題文では道路が2mと4mと8mの3つありますが、このような場合は広いほうの道路幅を前面道路とすることができます。
よって近隣商業地域部分の容積率は、前面道路が8mですので、
8m×6/10=480% > 指定容積率400%。よって近隣商業地域部分の容積率は400%。
次に第二種住居地域部分の容積率は、前面道路が8mですので、
8m×4/10=320% > 指定容積率300%。よって第二種住居地域部分の容積率は300%。
ここで、この土地の側面道路幅は2mで、「建築基準法42条2項道路」とありますが、これは都市計画区域にある幅4m未満の道で、建築基準法上の道路とみなしているもの(2項道路)です。
2項道路の中心線から2m後退した線が、道路との境界線とみなされるため、みなし道路境界線と道までの部分(セットバック部分)は、容積率や建ぺい率の計算の際、敷地面積に算入されません。
セットバックで後退する距離は、現在の道路幅に対して、4mに足りない分の幅員の2分の1です。
本問の場合、幅員2mですから、セットバックした場合の後退距離は、
(4m−2m)÷2=1.0m
よって延べ面積の上限は、
近隣商業地域部分 :10m×12m×400%=480u
第二種住居地域部分:(7m−1m)×12m×300%=216u
土地全体の上限:480u+216u=696u
以上により正解は、696(u)
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