問14 2022年9月基礎
問14 問題文
個人が契約する損害保険の課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) Aさんが自家用車の運転中に交通事故により死亡し、Aさんの遺族が、Aさんが加入する自動車保険の人身傷害補償保険から保険金を受け取った場合、当該保険金のうち事故の相手方の過失割合に相当する金額は非課税となる。
2) Bさんの自家用車が盗難に遭い、Bさんが加入する自動車保険の車両保険から保険金を受け取った場合、当該保険金は非課税となる。
3) Cさんが所有する居住用建物が火災により全焼し、Cさんが加入する火災保険から保険金を受け取った場合に、当該損失について雑損控除の適用を受けるときは、損失額から受け取った保険金の額を差し引く必要がある。
4) Dさんが病気により入院し、Dさんが加入する所得補償保険から保険金を受け取った場合に、当該入院に係る医療費について医療費控除の適用を受けるときは、支払った医療費の金額から受け取った保険金の額を差し引く必要がある。
問14 解答・解説
個人の損害保険の税務に関する問題です。
1) は、適切。人身傷害補償保険で支払われる保険金は、自動車事故における自己の過失部分も含め、損害額全額が支払い対象で、死亡保険金のうち相手からの損害賠償部分(過失割合分)は非課税となり、死亡した本人の過失割合分は相続税の課税対象となります。
2) は、適切。自動車が盗難の被害に逢って受け取った車両保険の保険金は、その自動車の再調達価格ですから、理屈上トクした(利益が出た)というわけではありません。よって、保険金は非課税となります。
3) は、適切。雑損控除を受ける際には、損害額から保険金や損害賠償金等で補填される金額を差し引いて、控除額を計算します。
また、住宅が焼失して受け取った火災保険金は、その住宅の時価や再調達価格ですから、理屈上トクした(利益が出た)というわけではありません。よって、保険金は非課税となります。
4) は、不適切。医療費控除を受ける際は、保険金などで補填された金額を差し引いて控除額を計算しますが、所得補償保険金や傷病手当金・出産手当金等の「医療費の補填目的の給付金」でないものは、医療費控除を計算する際に差し引く必要はありません。
なお、病気で就業不能になって受け取った所得補償保険金は、病気にならなければ得られていたはずの所得を保険金で受け取ったということですから、理屈上トクした(利益が出た)というわけではありません。よって、保険金は非課税となります。
よって正解は、4
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