問25 2022年9月基礎
問25 問題文
居住者に係る所得税の収入金額と必要経費に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 個人事業主が、事業所得を生ずべき事業の遂行上、取引先に対して貸し付けた貸付金の利子は、事業所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
2) 個人事業主が、事業所得を生ずべき事業の用に供している取得価額200万円の車両を売却した場合、事業所得の金額の計算上、当該車両の売却価額を総収入金額に算入し、当該車両の未償却残高を必要経費に算入する。
3) 所有する土地に他者の建物の所有を目的とする借地権を設定し、その対価として当該土地の時価の2分の1以下である権利金を受け取ったことによる収入は、不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
4) 所有する賃貸アパートを取り壊したことにより生じた損失の金額は、不動産の貸付が事業的規模に満たない場合、不動産所得の金額の計算上、その損失の金額を控除する前の不動産所得の金額を限度として必要経費に算入する。
問25 解答・解説
事業所得・不動産所得に関する問題です。
1) は、適切。事業を行っている場合、金融業ではなくても取引先や従業員に資金を貸し付けることがありますが、取引先や従業員への貸付金の利子は、事業所得の総収入額に算入されます(友人・親族等への個人的な貸付の場合、利子は雑所得となります)。
2) は、不適切。業務用車両等の事業資産を売却した場合、総合課税の譲渡所得となり、売却価額を譲渡所得の総収入金額とし、未償却残高を必要経費に算入可能です。
3) は、適切。所有する土地に建物の所有を目的とした借地権を設定した場合、その土地の時価の2分の1以下の権利金が支払われると、受け取った権利金相当額は、不動産所得の総収入額として算入します。
これに対し、その土地の時価の2分の1超の権利金が支払われると、受け取った権利金相当額が譲渡所得として所得税・住民税の課税対象となります(復興特別所得税含む)。
つまり、土地の借地権を売った(譲渡)した、とされるわけですね。
4) は、適切。賃貸用資産の取壊しによる資産損失額は、事業的規模に達していない場合、「その年の資産損失を差し引く前の不動産所得額」まで必要経費に算入可能です。なお、事業的規模ならば、全額を必要経費に算入可能です。
また、取壊し費用そのものは、事業的規模に関わらず、全額必要経費に算入可能です。
よって正解は、2
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