問45 2022年9月基礎

問45 問題文と解答・解説

問45 問題文

次の各ケースのうち、相続人が相続税の申告をしなければならないものはいくつあるか。なお、各ケースにおいて、被相続人は2022年中に死亡し、相続人は配偶者と子の合計2人であるものとする。また、相続の放棄をした者はおらず、記載のない事項については考慮しないものとする。

(a) 相続開始時に被相続人が所有していた財産は2,000万円(相続税評価額)であるが、そのほかに、契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約により配偶者が受け取った死亡保険金3,000万円がある場合

(b) 相続開始時に被相続人が所有していた財産は3,000万円(相続税評価額)であるが、2020年に子が被相続人から現金1,000万円の贈与を受け、相続時精算課税の適用を受けていた場合

(c) 相続開始時に被相続人が所有していた財産は7,000万円(相続税評価額)であるが、配偶者がすべての財産を相続により取得し、「配偶者に対する相続税額の軽減」の適用を受けることにより納付すべき相続税額が算出されない場合

1) 1つ

2) 2つ

3) 3つ

4) 0(なし)

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問45 解答・解説

相続税の申告に関する問題です。

(a) は、申告不要です。被相続人の死亡により相続人が取得した死亡保険金のうち、「500万円×法定相続人の数」までは非課税となりますが、非課税枠適用後の相続税の課税価格の合計が基礎控除の非課枠内であれば、申告不要です。
本問の場合、相続人が配偶者と子の合計2人の場合、非課税枠は1,000万円です。よって、遺産2,000万円と死亡保険金の課税対象2,000万円の合計4,000万円ですが、相続税の基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数ですので、相続人が配偶者と子の合計2人の場合、基礎控除は4,200万円となるため、申告不要です。

(b) は、申告不要です。相続時精算課税の選択した場合、贈与者が死亡したときには、贈与された財産を相続財産に加算して相続税の計算を行いますが、相続税の基礎控除額以下であれば相続税の申告は不要です。
本問の場合、遺産3,000万円と相続時精算課税による贈与1,000万円の合計4,000万円ですが、相続税の基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数ですので、相続人が配偶者と子の合計2人の場合、基礎控除は4,200万円となるため、申告不要です。

(c) は、申告が必要です。「配偶者に対する相続税額の軽減」の規定(相続税の配偶者控除)の適用を受けた場合、配偶者の法定相続分相当額、または1億6,000万円までは相続税がかかりません
ただし、配偶者に対する相続税額の軽減(相続税の配偶者控除)を適用する場合、納付する相続税の税額がゼロであっても、申告が必要です。

よって正解は、1

問44      問46

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