問14 2023年5月基礎
問14 問題文
事業活動に係る各種損害保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) サイバー保険や個人情報漏えい保険では、外部からの不正アクセスにより、顧客の個人情報が外部に漏えいした場合に、被保険者が法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害やそれらに対応する費用を補償する。
2) 生産物賠償責任保険では、第三者に引き渡した製品や仕事の結果に起因する事故により、他人の身体または財物に損害を与えた場合に、被保険者が法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害を補償する。
3) 施設所有(管理)者賠償責任保険では、施設の管理や施設の用法に伴う仕事の遂行が原因となり、他人の身体または財物に損害を与えた場合に、被保険者が法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害を補償する。
4) 労働災害総合保険は、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的とした「法定外補償保険」と、従業員の仕事の遂行が原因となり、第三者に損害を与えた場合に、被保険者が法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害を補償する「使用者賠償責任保険」の2つの補償から構成されている。
問14 解答・解説
損害保険による事業活動のリスク管理に関する問題です。
1) は、適切。サイバー保険や個人情報漏洩保険は、個人情報の漏えいの発生による、被保険者の損害賠償責任や、謝罪広告やお詫び状の作成等の事故対応費用を補償する保険ですので、外部からの不正アクセスにより、顧客の個人情報が漏洩した場合の賠償責任リスクへの備えとして適切です。
2) は、適切。生産物賠償責任保険(PL保険)は、企業等が製造・販売した商品などによる事故で、他者への損害賠償責任が発生した場合、被害者の治療費や慰謝料といった企業側の損害額を補償する保険です。
3) は、適切。施設所有(管理)者賠償責任保険は、施設の安全性の維持・管理の不備や、施設の用法に伴う業務遂行に起因する対人・対物事故について、施設所有(管理)者の損害賠償責任を補償する保険です。
4) は、不適切。労働災害総合保険は、労働者災害補償保険(いわゆる労災)の上乗せ補償を目的とした『法定外補償保険』と、民事上の損害賠償責任を負った場合を対象とする『使用者賠償責任保険』の2つから構成されていますが、労働災害総合保険における使用者賠償責任保険は、第三者への損害賠償ではなく、被災した従業員やその遺族からの損害賠償請求により、民事上の損害賠償責任を負った場合の損害を補償するものです。
よって正解は、4
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