問19 2023年5月基礎
問19 問題文
株価指数等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 日経平均株価は、構成銘柄の株価を株価換算係数で調整した合計金額を除数で割って算出した修正平均型の株価指標であり、株式分割や構成銘柄の入替え等があった場合、除数の値を修正することで連続性・継続性を維持している。
2) TOPIX(東証株価指数)については、フロア調整に係るウエイト基準日における浮動株時価総額ウエイトが下限を下回る銘柄は、ウエイトを調整するためのフロア調整係数が設定される。
3) JPX日経インデックス400は、東京証券取引所のプライム市場に上場する内国普通株式銘柄のうち、時価総額、売買代金、ROE等を基に選定された400銘柄を対象とし、基準値を10,000とした時価総額加重型の株価指数である。
4) 東証REIT指数は、東京証券取引所に上場しているREITおよびインフラファンドを対象とし、基準値を1,000とした時価総額加重型の指数である。
問19 解答・解説
株式市場の指標に関する問題です。
1) は、適切。日経平均株価は、東京証券取引所のプライム上場企業のうち代表的な225銘柄から構成されたもので、その算出方法は以下の通りです。
各構成銘柄の採用株価=株価×株価換算係数(※1)
日経平均株価=構成銘柄の採用株価合計/除数(※2)
※1 株価換算係数:株価水準の高低による影響(株価水準が高いと指数への影響が過大になる)をなくすため各採用銘柄の株価に乗ずる数
※2 除数:指数設定当初は銘柄数が除数でしたが、その後、増資や株式分割で1株当りの価値が薄くなった場合や構成銘柄の入れ替えがあったとしても、指数としての連続性・継続性を維持するため、除数の値を修正しています。
つまり、単純な平均額を算出するなら、採用銘柄の株価合計÷225とするだけですが、株価水準による影響(1銘柄の値動きが指数全体に影響を及ぼしやすい)を修正するために株価換算係数で調整し、さらに株式分割や構成銘柄の入替えに対応するために、除数を225ではなく適宜修正しているわけです。
2) は、不適切。東証株価指数(TOPIX)における個別銘柄の構成比率(ウエイト)の上限は10%とされており、キャップ調整に係るウエイト基準日における浮動株時価総額ウエイトが上限を超える銘柄については、10 月最終営業日にウエイトを調整するためのキャップ調整係数が設定されます。
つまり、1銘柄の値動きによる指数全体への影響を抑えるために銘柄の構成比率に上限を設定し、上限を超過する場合には構成比率を調整するための係数(キャップ調整係数)を用いて指数算出するわけです。
なお、東証株価指数(TOPIX)は、東証1部上場の全銘柄の、市場に流通している浮動株を対象とする時価総額加重型の株価指数でしたが、東証の再編に伴い市場区分と切り離されており、既存のTOPIX構成銘柄を全て継続採用しています(今後段階的にプライム市場銘柄のみに移行予定)。
3) は、不適切。JPX日経インデックス400は、東証プライムに加え、スタンダード・グロースといった中長期成長企業や高リスク・高成長企業も含めた東京証券取引所の上場銘柄のうち、ROE・営業利益・時価総額により選定された400銘柄の、市場に流通している浮動株を対象とする、時価総額加重型の株価指数です(基準値10,000ポイント)。
単なる「時価総額上位400銘柄」で選定されているわけではなく、資本効率やガバナンスも考慮して選定されています。
4) は、不適切。東証REIT指数は、東京証券取引所に上場しているREIT全銘柄を対象とする時価総額加重型の指数です。不動産投資信託市場全体の動きを示すため、多くの投資信託やETFのベンチマークとして利用されていますが、上場インフラファンド(発電所・道路・鉄道等のインフラを投資対象とする投信等)はREIT指数の対象外であり、東証に上場するインフラファンド全銘柄で構成される株価指数である東証インフラファンド指数の対象です。
よって正解は、1
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