問21 2023年5月基礎

問21 問題文と解答・解説

問21 問題文

わが国の先物取引に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1) 先物取引の立会時間は、日中立会と夜間立会(ナイト・セッション)があり、どちらの立会時間も、板寄せ方式やザラバ方式による取引が行われている。

2) TOPIX先物(ラージ)は、TOPIX(東証株価指数)の1万倍の金額が最低取引単位(1枚)とされ、日経225先物(ラージ)は、日経平均株価の1,000倍の金額が最低取引単位(1枚)とされている。

3) 株価指数先物取引には、TOPIX先物や日経225先物のほか、JPX日経インデックス400先物、NYダウ先物があり、いずれも大阪取引所に上場している。

4) 株価指数先物取引の取引最終日は、原則として、各限月の第1金曜日(SQ日)の前営業日となり、取引最終日までに反対売買で決済されなかった建玉は、最終清算数値(SQ値)により決済される。

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問21 解答・解説

デリバティブ取引に関する問題です。

1) は、適切。先物取引の取引時間(立会時間)は、日中立会と夜間立会(ナイト・セッション)があり、どちらも板寄せ方式やザラバ方式による取引が行われています。立会とは、かつては証券会社の担当者が立会場に立って身振り手振りで取引を処理していたことに由来します。
なお、売買が成立する仕組みにはザラバ方式と板寄せ方式があり、ザラバ方式とは、その日の最初の取引(寄り付き)から、最終の取引(引け)までの時間であるザラバにおいて、売買注文が出されたらその都度売買を成立させる取引方法です。
※ザラバ:ザラにある普通の場(ザラ場)
これに対し、板寄せ方式は、取引時間外の売買注文を整理し、売り・買いの注文が合致する価格で売買を成立させる取引方法です。

2) は、適切。TOPIX先物(ラージ)はTOPIX(東証株価指数)の1万倍の金額が最低取引単位(1枚)であるのに対し、日経225先物取引(ラージ)は、日経平均株価(日経225)の1,000倍の金額が最低取引単位(1枚)とされています。なお、TOPIXの1,000倍や日経平均の100倍が最低取引単位であるミニTOPIX先物・日経225miniという商品もあります。

3) は、適切。株価指数先物取引には、国内株価指数ではTOPIX先物や日経225先物に加えてJPX日経インデックス400先物等があり、海外株価指数ではNYダウ先物やFTSE中国50先物等があり、いずれも大阪取引所に上場しています。大阪取引所は東京証券取引所のデリバティブ市場と旧大阪証券取引所を統合した取引所で、TOPIXや日経平均の先物・オプションや長期国債先物などのデリバティブ商品を集約した、国内最大のデリバティブ専門市場です。

4) は、不適切。先物取引は、未来の売買についてある価格での取引を保証するもので、取引できる期間が決まっており、取引期限が満了する月を限月(げんげつ)といいます。日経225先物等の株価指数取引の限月は3、6、9、12月で、取引最終日は各限月の第2金曜日(SQ日)の前営業日となり、取引最終日までに反対売買で決済されなかった建玉(たてぎょく:買ったままや売ったままで未決済の取引)は、最終清算数値(SQ値)で決済されます。
つまり、現物取引の場合は含み損や含み益が出たままでいつまでも銘柄を保持し続けることが可能ですが、信用取引や先物・オプション取引では、限月の取引最終日までに自分で反対売買しなければ、SQ値で損益が確定されるわけです。
※SQ値:Special Quotation(特別清算指数・最終清算数値)

よって正解は、4

問20      問22

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