問61 2023年5月応用
問61 問題文
交換後の乙土地に耐火建築物を建築する場合、次の(1)および(2)に答えなさい(計算過程の記載は不要)。〈答〉はu表示とすること。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
(1) 建蔽率の上限となる建築面積はいくらか。
(2) 容積率の上限となる延べ面積はいくらか。
問61 解答・解説
建築面積と延べ面積の上限に関する問題です。
(1)防火規制がそれぞれ異なる土地にまたがっている場合、もっとも厳しい規制が課されますので、この場合は全て防火地域扱いとなります。
防火地域・準防火地域で耐火建築物を建築する場合、10%の建ぺい率緩和を受けられるため、第一種低層住居専用地域部分の建ぺい率=50%+10% となります。
また、指定建ぺい率が80%の地域でかつ防火地域内に耐火建築物を建てる場合は、建ぺい率の制限がありません(建ぺい率100%)ので、近隣商業地域部分で適用される建ぺい率は、100%となります。
建築面積の上限の計算式は、以下のとおりです。
建築面積の上限=土地の面積×土地の建ぺい率
また、建築物の敷地が、建ぺい率の異なる2つ以上の地域にわたる場合、敷地全体の最大建築面積は、「各地域の面積×各建ぺい率」の合計となります。
ただし、乙土地の側面道路幅は3mで、「建築基準法第42条第2項により特定行政庁の指定を受けた道路」とありますが、これは都市計画区域にある幅4m未満の道で、建築基準法上の道路とみなしているもの(2項道路)です。
2項道路の中心線から2m後退した線が、道路との境界線とみなされるため、みなし道路境界線と道までの部分(セットバック部分)は、容積率や建ぺい率の計算の際、敷地面積に算入されません。
セットバックで後退する距離は、現在の道路幅に対して、4mに足りない分の幅員の2分の1です。
本問の場合、幅員3mですから、セットバックした場合の後退距離は、
(4m−3m)÷2=0.5m
よって、
第一種低層住居専用地域部分の面積=190u−(後退距離0.5m×間口20m)=180u
よって(1)甲・乙土地の建築面積の上限は、
近隣商業地域部分:60u×100%=60u
第一種低層住居専用地域部分:180u×(50%+10%)=108u
土地全体の上限:60u+108u=168u
(2)延べ面積の上限=土地面積×その土地の容積率 ですが、建ぺい率同様、建築物の敷地が、容積率の異なる2つ以上の地域にわたる場合、敷地全体の延べ面積の上限は、「各地域の面積×各容積率」の合計となります。
ただし、容積率は、前面道路の幅が12m未満の場合に、用途地域によって制限されます。
住居系用途地域の場合……前面道路幅×4/10
その他の用途地域の場合…前面道路幅×6/10
この計算式結果と指定容積率を比べて、小さいほうが容積率の上限です。
問題文では道路が3mと6mの2つありますが、このような場合は広いほうの道路幅を前面道路とすることができます。
よって近隣商業地域部分の容積率は、前面道路が6mですので、
6m×6/10=360% < 指定容積率400%。よって商業地域部分の容積率は360%。
次に第一種低層住居専用地域部分の容積率は、前面道路が6mですので、
6m×4/10=240% > 指定容積率100%。よって第一種低層住居専用地域部分の容積率は100%。
よって(2)延べ面積の上限は、
近隣商業地域部分:60u×360%=216u
第一種低層住居専用地域部分:180u×100%=180u
土地全体の上限:216u+180u=396u
以上により正解は、(1)168(u) (2)396(u)
関連・類似の過去問
この問題と似ている問題を検索してみよう!「検索」ボタンをクリック!
FP対策講座
<FP対策通信講座>
●LECのFP講座(キーワード検索欄で「1級」と検索) ⇒ FP(ファイナンシャル・プランナー)サイトはこちら
●1級FP技能士(学科試験対策)のWEB講座 ⇒ 1級FP技能士資格対策講座(資格対策ドットコム)
●通勤中に音声学習するなら ⇒ FP 通勤講座
●社労士・宅建・中小企業診断士等も受けるなら ⇒ 月額定額サービス【ウケホーダイ】