問46 2023年9月基礎

問46 問題文と解答・解説

問46 問題文

相続税における課税財産および非課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。

1) 死亡保険金受取人となっている相続人が相続の放棄をした場合、その者が受け取る死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定は適用されない。

2) 死亡保険金の非課税金額の規定を適用することによって相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下となる場合、相続税の申告書を提出する必要はない。

3) 相続開始の時において、まだ定期金給付事由が発生していない定期金給付契約(生命保険契約を除く)で被相続人が掛金の全部を負担し、被相続人以外の者が当該定期金給付契約の契約者である場合、当該契約に関する権利を当該契約者が相続または遺贈により取得したものとみなされる。

4) 被相続人が契約者(=保険料負担者)および被保険者である生命保険において、死亡保険金の額から契約者貸付金の額が控除された保険金を相続人が受け取った場合、控除された契約者貸付金の額を当該保険金に加算した金額に相当する保険金を相続または遺贈により取得したものとみなされる。

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問46 解答・解説

相続税の課税財産・非課税財産に関する問題です。

1) は、適切。死亡保険金や死亡退職金は相続財産ではなく、保険金や退職金受取人の固有の財産とされるため、相続を放棄しても死亡保険金や死亡退職金は受け取れます(退職金は就業規則等によって受取人に指定されている場合のみ)。
ただし、税制上は「みなし相続財産」として、死亡保険金や死亡退職金の非課税金額の規定は適用されず、全額が相続税の課税対象となります。

2) は、適切。被相続人の死亡により相続人が取得した死亡保険金のうち、「500万円×法定相続人の数」までは非課税となりますが、非課税枠適用後の相続税の課税価格の合計が基礎控除の非課枠内であれば、申告不要です。

3) は、適切。年金受給権のように、ある期間定期的に金銭その他の給付を受ける受給権は、相続税法における「定期金に関する権利の評価」により評価されますが、給付事由が発生していない定期金給付契約で、契約者が掛金や保険料の負担者ではない場合は、被相続人である保険料負担者が死亡した際にみなし相続財産として相続税の課税対象となります(契約者が死亡した時点では課税対象外)。

4) は、不適切。生命保険の契約者貸付制度とは、契約している生命保険の解約返戻金の一定範囲内(70〜90%程度)で、生命保険会社からお金を借りられる制度ですが、生命保険の契約者と被保険者が同じで、保険金受取人が異なる場合、死亡保険金死亡保険金給付時には未返済分の契約者貸付金が控除され、その金額がみなし相続財産として相続税の課税対象となります。また、契約者貸付金に相当する保険金額と契約者貸付による債務額は、いずれもなかったものとなります。

よって正解は、4

問45      問47

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