問31 2024年1月基礎
問31 問題文
法人税法上の益金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、法人はいずれも内国法人(普通法人)であるものとする。
1) 法人がその有する棚卸資産の評価換えをしてその帳簿価額を増額した場合、その増額した部分の金額は、原則として、益金の額に算入する。
2) 法人が株式保有割合3分の1超100%未満の法人の株式(関連法人株式等)に係る配当を受け取った場合、その額から関連法人株式等に係る負債利子の額を控除した金額が益金不算入となる。
3) 法人が完全支配関係のある法人の株式(完全子法人株式等)に係る配当を受け取った場合、その全額が益金不算入となる。
4) 法人が法人税の還付を受けた場合、還付加算金は益金の額に算入し、還付金は益金不算入となる。
問31 解答・解説
法人税の益金に関する問題です。
1) は、不適切。法人が所有する棚卸資産(在庫)の時価が帳簿価額を上回った場合、含み益が生じていることなりますが、含み益である増額評価部分は原則として益金算入しません。これに対し、法人の棚卸資産(在庫)が著しく陳腐化して帳簿価額を下回る場合、原則として、損金経理により帳簿価額を減額し、評価損を損金算入可能です。
2) は、適切。他の法人への出資(投資)により法人が配当を受け取った場合、「受取配当金」として法人税の課税の対象となりますが、出資(株式保有)割合に応じて、受け取った配当金の一部または全額が益金不算入となります。株式保有割合が3分の1超〜100%未満の場合、関連法人株式等として、受取配当から関連法人株式等に係る負債利子の額を控除した額が益金不算入となります。
3) は、適切。完全支配関係がある内国法人(普通法人)において、親会社が100%子会社から受け取った配当金は、全額益金不算入になります。
「完全支配関係」とは、発行済株式や出資の全部を、直接・間接的に保有している関係で、完全子会社・100%子会社などと言われます。
4) は、適切。法人税・住民税等の損金不算入の税金の還付金は、全額が益金不算入となります。なお、利子に相当する還付加算金は益金算入します。
よって正解は、1
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