問32 2024年1月基礎
問32 問題文
卸売業を営むX株式会社(以下、「X社」という)は、当期(2023年4月1日〜2024年3月31日)において損金経理により一括評価金銭債権に係る貸倒引当金を200万円繰り入れた。X社の当期末における一括評価金銭債権の帳簿価額等が下記のとおりである場合、損金の額に算入されない貸倒引当金の繰入限度超過額として、次のうち最も適切なものはどれか。
なお、X社は資本金3,000万円の中小法人であり、資本金5億円以上の法人に完全支配されている法人等ではないものとする。また、繰入限度額が最も高くなるように計算することとし、記載のない事項については考慮しないものとする。
期末の一括評価金銭債権の帳簿価額 : 1億5,000万円
実質的に債権とみられない金銭債権の金額 : 1,000万円
卸売業に係る法定繰入率 : 1,000分の10
貸倒実績率(実績繰入率) : 1,000分の7
1) 50万円
2) 60万円
3) 95万円
4) 102万円
問32 解答・解説
法人税の貸倒引当金に関する問題です。
資本金1億円以下の中小法人の場合、貸倒引当金の繰入限度額は、一括評価金銭債権の額に対して、実績繰入率と法定繰入率のいずれかを乗じて、有利な方を選択できます。
A:一括評価金銭債権の額×実績繰入率
B:一括評価金銭債権の額×法定繰入率
なお、中小法人が法定繰入率で貸倒引当金の繰入限度額を計算する場合には、実質的に債権とみられない部分(債務者から受け入れている買掛金・支払手形・借入金等の金銭債権等)の金額は一括評価金銭債権の金額から除外されます。
A:1.5億円×7/1,000=105万円
B:(1.5億円−1,000万円)×10/1,000=140万円
貸倒引当金は損金算入出来ますから、B方式のほうが有利ですので、B方式を採用します。
従って、貸倒引当金の繰入限度超過額=貸倒引当金残高−繰入限度額
=200万円−140万円
=60万円
よって正解は、2
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