問35 2024年1月基礎
問35 問題文
不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 未成年者が、法定代理人の同意を得ずに、親権者でない成年者を代理人として土地の売買契約を締結した場合、当該売買契約は取り消すことができない。
2) 共有名義の不動産について、各共有者は他の共有者の同意を得ずに自己の持分を共有者以外の者に売却することができる。
3) 代理権を有しない者が本人に代わって行った不動産の売買契約について、本人が追認する場合、別段の意思表示がない限り、当該売買契約の効力は追認をした時から将来に向かって生じる。
4) 個人が宅地建物取引業者から住宅を購入する場合、民法、宅地建物取引業法および消費者契約法の規定が競合するときは、民法の規定が優先して適用される。
問35 解答・解説
不動産の売買取引に関する問題です。
1) は、不適切。未成年者が不動産の売買契約や賃貸借契約を締結する場合には、法定代理人の同意が必要ですので、もし未成年者が法定代理人の同意無しに売買契約を勝手に結んでしまった場合、法定代理人はその取引を取り消すことが可能です(法定代理人でない任意代理人には取消権なし)。
2) は、適切。共有持分となっている不動産について、持分だけの売却や抵当権設定は可能です。よって、共有者の1人が自身の持分について売却したり、抵当権を設定することについて、他の共有者の同意は不要であり、他の共有者は拒否することは出来ません。
3) は、不適切。代理権がないのに代理人として締結してしまった売買契約を本人が追認する場合(つまり勝手に代理人として契約したものを本人がOKした場合)、原則として契約時にさかのぼって契約の効力が発生します。
4) は、不適切。法律は、特別な法規が一般的な法規に優先して適用されます。 よって、消費者契約法は民法の特別法であり、宅地建物取引業法は消費者契約法の特別法であるため、各法が競合する場合には、宅地建物取引業法の規定が優先して適用されます。
よって正解は、2
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