問42 2024年1月基礎
問42 問題文
贈与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 死因贈与は、遺贈に関する規定が準用されるため、全文、日付、氏名を自書し、押印した書面によって契約しなければならない。
2) 遺言の内容と死因贈与の内容に矛盾する部分がある場合、遺贈が遺言による一方的な意思表示であるのに対し、死因贈与は贈与者と受贈者との合意によってなされる契約であるため、矛盾する部分は常に死因贈与の内容が優先される。
3) 負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。
4) 書面によらない贈与は、贈与者または受贈者が一方的に解除することができるが、履行が終了した部分については解除することはできない。
問42 解答・解説
贈与に関する問題です。
1) は、不適切。死因贈与契約は、遺贈に関する規定が準用されますが、自筆証書遺言のような全文等の自書や押印書面といった方式が不要です。このため、自筆証書遺言が無効な方式であったとしても、遺言者(贈与者)と受贈者が双方合意していたとみなされるものであれば、死因贈与として認められることがあります。
2) は、不適切。前の遺言が後の遺言と抵触する場合、抵触部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。死因贈与契約は、遺贈に関する規定が準用されますので、贈与者と受贈者が合意していたものであっても、遺言と抵触する部分についてはより新しい方の内容が優先されます。
3) は、不適切。負担付贈与契約は、贈与契約締結の際に受贈者に一定の負担を課す贈与ですが、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られません。
4) は、適切。贈与契約は口頭でも双方の合意により成立しますが、まだ履行していない部分については「やっぱやめますわ」と一方的に撤回することができます(書面の場合は相手の合意が必要)。
よって正解は、4
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