問43 2024年1月基礎
問43 問題文
成年後見制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 後見等開始の審判の請求を本人以外の者が行う場合、後見および保佐については本人の同意は不要であるが、補助については本人の同意が必要である。
2) 成年後見人は、成年被後見人が自ら行ったすべての法律行為について、取り消すことができる。
3) 被保佐人は、保佐人の同意またはこれに代わる許可を得ないで自ら行った不動産の売買について、取り消すことができる。
4) 家庭裁判所は、補助人の請求によって、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
問43 解答・解説
成年後見制度に関する問題です。
1) は、適切。法定後見制度では、本人以外が後見等の開始の申し立てをする場合、後見・保佐は本人の同意が不要ですが、補助は本人の同意が必要です。
補助の対象者は、後見や保佐が必要な人よりは判断能力があるとされるため、本人以外による補助開始の審判は、本人の意思を尊重すべく本人の同意がなければできません。
2) は、不適切。法定後見制度における成年後見人は、被後見人本人が行った不利益な法律行為を、後から取り消すことができますが、日用品(食料品・衣料品等)の購入など「日常生活に関する行為」は、取消しの対象外です。
3) は、適切。法定後見制度では、本人が行った不利益な法律行為を、後から取り消すことができますが、取消権者は、本人・後見人・保佐人・補助人です。
4) は、適切。判断能力が低下した場合、本人、配偶者、4親等内の親族等の申立権者が家庭裁判所に対して、後見、保佐または補助開始の審判を申し立てますが、親族のほか、任意後見人や任意後見受任者(任意後見人になることを引き受けた人)等も申立人として審判請求可能です(保佐人・補助人、その監督人、検察官等も可)。
よって正解は、2
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