問45 2024年5月基礎
問45 問題文
配偶者居住権および配偶者短期居住権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 被相続人が相続開始時に居住建物を子と共有していた場合、被相続人の配偶者は被相続人が所有していた共有持分に応ずる配偶者居住権を取得することができる。
2) 配偶者居住権を取得した配偶者が死亡した場合、配偶者居住権は当該配偶者の相続財産として遺産分割の対象となる。
3) 配偶者短期居住権を取得することができる配偶者は、相続開始時において、被相続人が所有していた建物に無償で居住し、かつ、被相続人との婚姻期間が20年以上である者とされている。
4) 配偶者短期居住権の対象となる建物の所有権を遺贈により取得した第三者が、配偶者短期居住権を消滅させるよう配偶者に対して申し入れた場合、配偶者短期居住権の存続期間は、申入れの日から6カ月を経過する日までとなる。
問45 解答・解説
配偶者居住権・配偶者短期居住権に関する問題です。
1) は、不適切。配偶者居住権は、建物の所有者である被相続人の相続開始時に、建物が配偶者以外の者と共有状態でないことが必要ですので、子であっても被相続人と共有状態だった場合は、配偶者居住権を取得できません。
2) は、不適切。配偶者居住権は、第三者に譲渡できず、取得した配偶者が死亡した場合には消滅するため、相続の対象外です。
3) は、不適切。配偶者短期居住権を取得することができる配偶者は、相続開始時において、被相続人が所有していた建物に無償で居住していることが必要ですが、配偶者居住権・配偶者短期居住権には、生存している配偶者の年齢や婚姻期間の要件はありません。
4) は、適切。配偶者短期居住権は、遺産分割で他の相続人が自宅を相続した場合でも、配偶者は居住建物の帰属が確定する日までの間(最低6ヶ月間)、無償で居住継続可能となる権利です。よって、相続・遺贈で建物を取得した第三者が配偶者短期居住権の消滅を申し入れた場合、申し入れ日から6ヶ月経過するまで配偶者短期居住権が存続します。
よって正解は、4
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