問13 2010年1月基礎
問13 問題文
「失火の責任に関する法律」(失火責任法)に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
1)
Aさんが,不注意による失火(軽過失)により隣家を全焼させてしまった場合,失火責任法の規定が適用されるため,Aさんは隣家の所有者に対して損害賠償責任を負わない。
2)
Bさんが,失火により隣家を全焼させてしまった場合,Bさんの故意ではない限り重大な過失があっても,失火責任法の規定が適用されるため,Bさんは隣家の所有者に対して損害賠償責任を負わない。
3)
賃貸住宅に住んでいるCさんが,ガス爆発事故を起こし,借家および隣家を損壊させてしまった場合,失火責任法の規定が適用されないため,Cさんは家主および隣家の所有者に対して損害賠償責任を負う。
4)
賃貸住宅に住んでいるDさんが,不注意による失火(軽過失)で借家を全焼させてしまった場合,家主に対する賠償責任に関しては失火責任法の規定が適用されないため,Dさんは家主に対して損害賠償責任を負う。
問13 解答・解説
失火責任法に関する問題です。
失火責任法では、故意や重大な過失があったときを除いて、損害賠償責任が生じないとしています。ただし、賃貸住宅の場合は、故意や重大な過失がなくても、建物賃貸借契約上「原状回復義務」を負っているため、損害賠償責任が生じます。
1)は、適切。軽過失の場合は失火責任法の規定により、損害賠償責任を負いません。
2)は、故意ではなくても重大な過失の場合は、失火責任法の規定が適用されず、損害賠償責任を負うことになります。よって不適切。
3)は、適切。ガス爆発は「火災」ではないとされるので、失火責任法の規定が適用されず、損害賠償責任を負います。
4)は、適切。賃貸の場合、軽過失でも家主に対する損害賠償責任を負います。このため、賃貸住宅に入るときは、必ずといっていいほど火災保険の話が出てくるわけです。
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