問37 2010年1月基礎

問37 問題文と解答・解説

問37 問題文

不動産の売買取引に係る手付金に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

1) 買主から売主に対して手付金が交付されたが,売買契約書で手付金に関する定めを特に規定していなかった場合,売主は,買主が契約の履行に着手する前であれば,手付金の倍額を償還して契約を解除することができる。

2) 買主から売主に対して解約手付金が交付された場合,売主は,買主が内金を支払った後であっても,手付金の倍額を償還すれば契約を解除することができる。

3) 買主が解約手付金を放棄して契約を解除した場合,売主から当該手付金を上回る損害が発生したとして,その差額分の支払について損害賠償請求がなされたときは,買主は,原則として,これに応じる義務はない。

4) 売主が宅地建物取引業者である場合,買主(宅地建物取引業者を除く)は,売買契約書に手付金が違約手付と規定されていても,売主が契約の履行に着手する前であれば,手付金を放棄して契約を解除することができる。

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問37 解答・解説


不動産の売買取引に係る手付金に関する問題です。

1) は、適切。手付金が交付された場合、契約の相手方が契約の履行着手前であれば、買主は手付金の放棄、売主は手付金の倍額償還により契約を解除できます。

2) は、不適切。買主は内金、つまり契約金額の一部を既に支払っていますので、契約の履行着手済です。よって売主は手付金の倍額償還での契約解除はできません。

3) は、適切。買主が手付金を放棄して契約解除した場合、売主から損害賠償請求されても、原則応じる義務はありません。

4) は、適切。契約書に手付金が違約手付として規定されていても、相手方が契約の履行着手前であれば、買主は手付金放棄で契約解除できます。
なお、違約手付とは、契約の相手方に債務不履行(買主が代金を支払わない、売主が物件を引き渡さない等)が発生すれば、手付が没収される(または手付の倍額を支払う)場合の手付のことです。

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