問53 2011年1月応用

問53 問題文と解答・解説

問53 問題文

仮に,Aさんが,在職中の平成23年9月15日に死亡し,妻Bさんが遺族基礎年金および遺族厚生年金を受給することができる場合,以下の〈条件〉と〈資料〉の計算式を利用して,Aさんの死亡によって妻Bさんが受給することができる遺族基礎年金と遺族厚生年金の年金額を求めなさい。計算過程を示し,答は円単位とすること。
なお,年金額は,平成22年度価額(物価スライド特例年金額)に基づいて計算するものとする。また,資料中の「△,□」は,問題の性質上,伏せてあるので,適切な数値を求めて計算すること。

(1)遺族基礎年金の年金額はいくらか。
(2)遺族厚生年金の年金額はいくらか。
なお,年金額の端数処理は,資料の注記にあるとおりに処理すること。

※Aさんの家族構成と社会保険の加入歴等

〈条件〉
(1)遺族給付の受給権を取得した遺族
  ・妻Bさんおよび生後3カ月の子(妻Bさんは子と生計を同じくする)。
(2)Aさんに関する条件
  ・総報酬制導入前の厚生年金保険の被保険者期間 :24月
  ・総報酬制導入前の平均標準報酬月額 :200,000円
  ・総報酬制導入後の厚生年金保険の被保険者期間 :101月
  ・総報酬制導入後の平均標準報酬額 :360,000円

〈資料〉
・遺族厚生年金の計算式(物価スライド特例年金額,平成22年度価額)
  遺族厚生年金の額=(T+U)×1.031×0.985×△/□×3/4
  T:平均標準報酬月額×乗率×平成15年3月までの被保険者期間の月数
  U:平均標準報酬額×乗率×平成15年4月以後の被保険者期間の月数

   

(注)計算過程の金額は円未満を四捨五入し,年金額は50円未満を切捨て,50円以上100円未満は切上げとすること。

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問53 解答・解説

遺族基礎年金は、主に、子供や子供のいる妻が支給対象で、子どもの人数に応じて、支給額が増加します。
子供の数      : 支給金額(年間)
子供1人       : 792,100円+227,900円×1=1,020,000円
子供2人       : 792,100円+227,900円×2=1,247,900円
子供3人       : 792,100円+227,900円×2+75,900円=1,323,800円
子供4人以上 : 1人増えるごとに75,900円追加
※支給期間は子供が18歳になるまで。

792,100円は満額の老齢基礎年金額と一緒で、子供2人までは1人当たり227,900円が増額され、3人目以降は1人当たり75,900円が増額されるわけですね。

よって、(1)の正解は、792,100円+227,900円×1=1,020,000円。

次に、遺族厚生年金額は、以下の数式で計算できます。
遺族厚生年金額=(T+U)×1.031×0.985×最低保障300月/被保険者期間の合計×3/4
※T:平均標準報酬月額×乗率×平成15年3月までの被保険者期間の月数
※U:平均標準報酬額×乗率×平成15年4月以後の被保険者期間の月数

遺族厚生年金は、夫や子供のいない妻も支給対象で、被保険者期間中に死亡した場合は、短期要件として被保険者期間を最低300月とみなして計算する最低保障 がついています。

ここが問題文の資料で「△/□」と記載されている部分で、例えば被保険者期間の合計が100月の場合、TやUの計算では実際の被保険者期間の月数で計算するものの、最終的に300/100=3を乗じるため、300月としてみなして計算したことになるわけです。
(被保険者期間が300月以上の場合(長期要件)、実際の被保険者期間で計算するため、このような処理はありません)
Aさんの被保険者期間は、24月+101月=125月で300月未満のため、短期要件に該当し、被保険者期間を300月とみなして計算することになります

遺族厚生年金額=(T+U)×1.031×0.985×300/125×3/4
                          =449,242円≒449,200円(100 円未満四捨五入)
   ※T:200,000円×7.5/1,000×24月=36,000円
   ※U:360,000円×5.769/1,000×101月=209760.84≒209,761円

よって、(2)の正解は、449,200円。

問52                       第2問
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