問61 2012年1月応用
問61 問題文
甲土地と乙土地との一体地において貸しビル(耐火建築物)を建築する場合,次の(1)・(2)に答えなさい。
(1) 建ぺい率の上限となる建築面積はいくらか。計算過程を示し,答はu単位とすること。
(2) 容積率の上限となる延べ面積はいくらか。計算過程を示し,答はu単位とすること。
問61 解答・解説
建築面積と延べ面積の上限に関する問題です。
問題文によると、近隣商業地域部分が準防火地域、第1種住居地域部分が規制なしとなっていますが、
防火規制がそれぞれ異なる土地にまたがっている場合、もっとも厳しい規制が課されますので、この場合は全て準防火地域扱いとなります。
ただし、「防火地域」ではないので、耐火建築物を建てても20%緩和は受けられませんが、特定行政庁の指定した角地に建築するため、10%の建ぺい率緩和を受けることができます。
甲土地360u、乙土地120uで、近隣商業地域部分は甲土地270u、乙土地90uですから、
第1種住居地域の面積…甲部分:360u−270u=90u 乙部分:120u−90u=30u
近隣商業地域部分…甲部分:270u 乙部分:90u
建築面積の上限の計算式は、以下のとおりですので、
建築面積の上限=(各土地の面積×各土地の建ぺい率)の総和
第1種住居地域部分=(90u+30u)×(60%+10%)=84u
近隣商業地域部分=(270u+90u)×(80%+10%)=324u
よって、(1)建築面積の上限=84u+324u=408u
次に、容積率は、前面道路の幅が12m未満の場合に、用途地域によって制限されます。
住居系用途地域の場合……前面道路幅×4/10
その他の用途地域の場合…前面道路幅×6/10
この計算式結果と指定容積率を比べて、小さいほうが容積率の上限です。
問題文では道路が12mと5mの2つありますが、このような場合は広いほうの道路幅を前面道路とすることができます。
よって、前面道路は12mとなるため、容積率の制限は適用されず、各用途地域の容積率は、指定容積率のままとなります。
(第1種住居地域部分:指定容積率200%、商業地域部分:指定容積率400%)
延べ面積の上限の計算式は、以下のとおりですので、
延べ面積の上限=(各土地の面積×各土地の容積率)の総和
第1種住居地域部分=(90u+30u)×200%=240u
近隣商業地域部分=(270u+90u)×400%=1,440u
よって、(2)延べ面積の上限=240u+1,440u=1,680u
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