問56 2019年1月応用
問56 問題文
《設例》の〈Yファンド・Zファンドの実績収益率・標準偏差・相関係数〉に基づいて、(1)Yファンドのシャープ・レシオと(2)YファンドとZファンドをそれぞれ6 : 4の割合で購入した場合のポートフォリオの標準偏差を、それぞれ求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は表示単位の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位までを解答すること。なお、シャープ・レシオについては、安全資産利子率を0.10%として計算すること。
問56 解答・解説
シャープ・レシオ、標準偏差に関する問題です。
シャープ・レシオ=(ポートフォリオの収益率−安全資産利子率)÷標準偏差 です。
Yファンドの場合、収益率10.75%、標準偏差7.50%ですから、安全資産利子率0.10%とした場合、
シャープ・レシオ=(10.75%−0.10%)÷7.50%
=10.65%÷7.50%
=1.42
次に標準偏差ですが、標準偏差=「分散」の平方根 です。よってまずは分散を求めます。
分散=(各資産の投資割合の2乗×各資産の標準偏差の2乗)の総和+2×各資産の投資割合の積×各資産の標準偏差の積×相関係数
分散=0.6^2×7.50^2+0.4^2×10.25^2+2×0.6×0.4×△0.60×7.50×10.25
=20.25+16.81−22.14=14.92
分散14.92の平方根=3.862…→3.86%
なお、設例で相関係数が提示されておらず、共分散が提示されている場合、以下の式から分散を算出可能です。
分散=(各資産の投資割合の2乗×各資産の標準偏差の2乗)の総和+2×各資産の投資割合の積×各資産の標準偏差の積×相関係数
=(各資産の投資割合の2乗×各資産の標準偏差の2乗)の総和+2×各資産の投資割合の積×共分散
相関係数=共分散/(標準偏差A×標準偏差B)であり、上記の最初の式に当てはめると、「各資産の標準偏差の積」と「(標準偏差A×標準偏差B)」が約分できますので、式の後半部分は、「2×各資産の投資割合の積×共分散」とすることが可能なわけです。
以上により正解は、(1)1.42 (2)3.86(%)
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