問26 2020年1月基礎

問26 問題文と解答・解説

問26 問題文

Aさんは、2019年中に、勤務先から退職金を受け取り、確定拠出年金から老齢給付金を一時金で受け取った。下記の〈条件〉に基づき、2019年分の退職所得の金額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、障害者になったことが退職の直接の原因ではないものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。

〈条件〉
(1) 退職金に関する事項
退職手当等の収入金額 : 1,800万円
勤続期間 : 1990年8月1日〜2019年3月31日(28年8カ月)

(2) 確定拠出年金の老齢給付金に関する事項
老齢給付金の金額 : 300万円
個人型年金加入者期間 : 2005年4月〜2019年10月(14年7カ月)

1) 35万円

2) 185万円

3) 300万円

4) 335万円

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問26 解答・解説

退職所得に関する問題です。

退職所得=(退職収入−退職所得控除)×1/2 で計算されますが、退職所得控除額は、勤続年数が20年以下の期間は1年当たり40万円(最低80万円)、20年を超える期間は1年当たり70万円です。
また、勤続年数が1年に満たない場合は切り上げられます。

本問の場合、確定拠出年金の老齢年金もありますが、確定拠出年金の老齢給付金は、一時金として受給する場合は退職所得として退職所得控除が適用され、受け取った老齢給付金全額を収入金額とし、退職所得控除を差し引いて課税されます。

ただし、同年中に企業からの退職手当等と、確定拠出年金の老齢給付金を一時金として受給する場合には、それぞれの勤続期間のうち、最も長い期間を勤続年数として計算し、重複していない期間を加算して退職所得控除を算出します。

本問の場合、退職金にかかる勤続期間が1990年8月1日〜2019年3月31日(28年8ヶ月)で、確定拠出年金の加入期間が2005年4月〜2019年10月(14年7ヶ月)ですから、最も長い期間が28年8ヶ月です。
さらに、2005年4月〜2019年3月までの14年間が重複期間ですので、7ヶ月が重複していない期間となります。
従って勤続年数=28年8ヶ月+7ヶ月=29年3ヶ月→30年(1年未満切り上げ)です。

よって問題文での退職所得の計算式は、
=[1,800万円+300万円−{40万円×20年+70万円×(30年−20年)}]×1/2
={2,100万円−(800万円+700万円)}×1/2
=(2,100万円−1,500万円)×1/2
=300万円

※ちなみに、障害者になったことが直接の原因で退職した場合には、退職所得控除額がさらに100万円加算されます。

よって正解は、3

問25      問27

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