問25 2012年9月基礎
問25 問題文
所得税の納税義務者に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。なお,各選択肢において国籍の記載がない者については日本国籍であるものとする。
1) 平成24年7月1日に夏期臨時英会話講師として2カ月間の契約で単身来日した米国籍のA氏が,引き続き同年9月1日から向こう2年間,専任講師として在留することになった場合,A氏は7月と8月は非居住者,9月からは居住者として取り扱われる。
2) 独身のB氏は,所属企業の中国現地法人の業務を応援するため,平成24年2月1日から3カ月間の予定で中国へ出張した。しかし,現地においてさらに長期の応援が必要となったため,同年4月1日から2年間,出張期間が延長される辞令を受けた。この場合,B氏は4月1日までは居住者,同日後は非居住者として取り扱われる。
3) 英国籍のC氏は,期間は正確には決まっていないが,おおむね1年の予定の出張で平成24年8月1日に来日し,単身赴任なので会社のゲストハウスに宿泊している。このC氏は, 非居住者として取り扱われる。
4) D氏は,所属企業が出資する開発途上国の企業で技術指導をするため,家族同伴で3年間の予定で海外赴任することになった。D氏とともに同伴する家族は,非居住者として取り扱われる。
問25 解答・解説
所得税の納税義務者に関する問題です。
1) は、適切。「居住者」とは、国内に引き続いて1年以上“居所”を有する個人、または国内に“住所”を有する個人で、「非居住者」とは、居住者以外の個人です。
※居所:居住する場所←ホテル住まいの人は、ホテルのある場所が納税地となるわけです。
米国籍のA氏は、7月と8月は来日期間が1年に満たないため非居住者ですが、9月からは国内に引き続いて1年以上“居所”を有することが確定しているため、居住者として取り扱われます(何らかの事情で1年以内に帰国した場合、帰国時までは居住者とされ、それ以後は非居住者として扱われます。)
2) は、適切。B氏は、4月1日までは海外出張期間が1年に満たないため居住者ですが、4月1日以後は海外において引き続いて1年以上“居所”を有することが確定しているため、非居住者として取り扱われます(何らかの事情で1年以内に帰国した場合、帰国時までは非居住者とされ、それ以後は居住者として扱われます。)
つまり、日本や海外での在留期間が短縮・延長された場合であっても、居住者か非居住者かという判定を、当初の判定時に遡って再判定することはありません。
3) は、不適切。日本国内に住所がなく、かつ1年以上日本国内に居所がない場合、非居住者として扱われるため、来日している英国籍のC氏は、出張期間が1年に満たなければ日本の非居住者ですが、現時点で未確定のため、日本の居住者として扱われます。
(つまり、未確定なら日本に納税してね♪とされてしまうわけです。)
4) は、適切。家族同伴で海外赴任する際、同伴する家族についても、日本国内に住所がなく、かつ1年以上日本国内に居所がない場合、非居住者として扱われます。
なお、日本にそれまで住んでいた自宅を残していく場合も有り得ますが、所得税法における「住所」とは、「客観的事実によって判定される個人の生活の本拠」ですので、3年間海外赴任する場合、住所=生活の本拠も、居所=居住する場所も海外にあるとされ、非居住者になるわけです。
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