問31 2013年1月基礎
問31 問題文
資本金1,000万円の法人X社(株主は社長とその配偶者のみである)について適用される法人税法上の欠損金の繰越控除と繰戻還付に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。なお,各選択肢において,ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
1) 青色申告書を提出していない事業年度において生じた欠損金額については,災害により被災した資産について生じた損失の金額であっても,繰越控除の適用は認められない。
2) 青色欠損金の繰越控除の適用を受けるためには,欠損金の生じた事業年度の翌事業年度以後も連続して青色申告書を提出し続けなければならない。
3) 青色申告書を提出している事業年度において生じた欠損金は,一定の要件のもとで,その事業年度開始の日前1年以内に開始した事業年度の所得に繰り戻し,その事業年度の所得に対する法人税額の全部または一部を還付請求することができる。
4) 平成20年4月1日以後に終了した青色申告書を提出している事業年度において生じた欠損金がある場合は,7年間に限り各事業年度の所得の金額の計算上,各事業年度の所得の金額を限度として,その繰越欠損金が損金の額に算入される。
問31 解答・解説
欠損金の繰越控除と繰戻還付に関する問題です。
1) は、不適切。青色申告の承認を受けた法人は、欠損金の繰越控除・繰戻還付等の、税務上の各種特典を受けることができますが、災害による損失の場合は、青色申告書を提出してない事業年度の欠損金でも、繰越控除が適用されます。
2) は、不適切。青色欠損金の繰越控除を受ける場合、翌事業年度以降も確定申告しなければなりませんが、青色申告でなく白色申告でも適用されます。
3) は、適切。青色申告をしている資本金1億円以下の中小企業等であれば、平成21年2月1日以降の欠損金については、前年の所得に繰り戻して、税の還付請求をすることが出来ます。
4) は、不適切。欠損金の繰越控除の期間は、平成24年度税制改正により、それまでの7年間から2年延長され、9年間(平成20年4月1日以後に終了した事業年度)となりました。
よって、9年以内の欠損金は、各事業年度の所得金額を限度として、損金算入できます。
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