問10 2012年9月基礎
問10 問題文
保険法および保険業法に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
1) 保険法は,保険契約に関する一般的なルールを定めた法律で,保険契約の締結から終了までの間における,保険契約における関係者の権利義務等を定めている。
2) 保険業法は,保険業の公共性にかんがみ,保険業を行う者の業務の健全かつ適切な運営および保険募集の公正を確保することにより,保険契約者等の保護を図り,もって国民生活の安定および国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
3) 保険法によれば,保険金受取人が保険金を請求する権利または保険契約者が保険料の返還を請求する権利は,時効により2年で消滅する。
4) 保険法には,質権者・差押債権者・破産管財人など,当事者以外の解除権者による解除(解約)請求に対し,保険金受取人が一定要件のもと,保険契約を存続させることができる介入権制度が設けられている。
問10 解答・解説
保険法・保険業法に関する問題です。
1) は、適切。保険法は、保険契約に関する一般的なルールを定めた法律で、保険契約の締結から終了までの間における、保険契約における関係者の権利義務等が定められています。
2) は、適切。保険業法の目的は、保険業という公共性のある業務が健全で適切に運営され、公正に保険募集されるように、保険契約者等の保護を図ることにより、国民生活の安定・経済の健全な発展につなげることです。
このため、保険業法では保険会社に対する監督(免許の内容,業務の内容の規制,罰則等)について定めています。
3) は、不適切。保険法により、保険金請求権や保険料返還請求権の時効は、権利発生日の翌日から起算して3年です。
4) は、適切。保険の契約者が破産した場合等、債権者や破産管財人等が、解約払戻金を取得するために保険契約を解約することがありますが、保険法には、当事者以外の解除権者による解除(解約)請求に対し、保険金受取人が所定の金額を債権者等に支払うことで保険契約を存続することを可能とする「介入権」の制度が設けられています。
これは、保険契約がいったん解約されると、被保険者の年齢や健康状態により再度保険に加入できず、保険金受取人の生活保障が困難となることを防止するためです。
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