問27 2012年9月基礎

問27 問題文と解答・解説

問27 問題文

次の記述のうち,所得の分類上,一時所得に該当するものはいくつあるか。

(a)家主の都合で,やむなく賃借期間の中途で居宅を明け渡すことになり,受領した立退き料(借家人の収入金額や必要経費を補てんするためのものを除く)

(b)不動産売買契約を結んでいたところ,売主の都合で契約が破棄され,返還された手付金とともに受け取った同額の違約金

(c)勤務先の適格退職年金制度の廃止に伴い,引き続き勤務する従業員が支払いを受ける適格退職年金契約の解除一時金

1) 1つ

2) 2つ

3) 3つ

4) 0(なし)

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問27 解答・解説

一時所得に関する問題です。

(a)借家人が受け取った立ち退き料は、借家人の収益補償的なものは事業所得、移転費用の補償金的なものは一時所得、資産の消滅の対価補償的なもの(家屋の明渡しで消滅する権利(借家権)の対価)は譲渡所得、という3区分に分けられます。
本問では「借家人の収入金額や必要経費を補てんするためのものを除く」とあるため、一時所得か譲渡所得に該当します。

(b)不動産売買契約の解除による違約金は、一時所得となります(不動産業者が受け取る場合は事業所得)。

(c)引き続き勤務する従業員に対して支払われる適格退職年金契約の解除一時金は、一時所得 となります。

従って正解は、3つ。

なお、立ち退き料に関しては、所得税基本通達34-1で、一時所得の例示として、「(7)借家人が賃貸借の目的とされている家屋の立退きに際し受けるいわゆる立退料(〜略〜借家人の収入金額又は〜略〜必要経費〜略〜を除く。)」とあり、(a)の問題文はここから作成されていると考えられるため、本問では一時所得とするのが正解といえるでしょう。

問26                問28

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