問28 2012年9月基礎

問28 問題文と解答・解説

問28 問題文

個人が支出する寄附金に係る所得税の所得控除および税額控除に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。

1) 国に対する寄附金は寄附金控除の対象となるが,地方公共団体に対する寄附金は寄附金控除の対象とならない。

2) 国に対して支出した寄附金について寄附金控除の適用を受ける場合において,同一年に一定の要件を満たす政党等に対して支出した寄附金があったとき,その政党等に対する寄附金については,寄附金控除の適用を受けることはできても,「政治活動に関する寄附をした場合の所得税額の特別控除」の適用を受けることはできない。

3) 平成24年中に支出した特定寄附金がすべて震災関連寄附金である場合,その寄附金額のうち総所得金額等の100分の60相当額までの金額を限度に,2,000円を超える部分の金額を寄附金控除として平成24年中の総所得金額等の金額から控除することができる。

4) 平成24年中に認定特定非営利活動法人に対して支出した震災関連寄附金のうち,被災者支援活動に特に必要な資金に充てられるものがある場合,その寄附金のうち一定金額までについては,寄附金控除の適用を受けるか,特定震災指定寄附金として税額控除の適用を受けるか,いずれかを選択することができる。

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問28 解答・解説

寄附金控除に関する問題です。

1) は、不適切。納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合には、寄附金控除として所得控除を受けることができます。

2) は、不適切。政党等への寄附金は、「寄附金控除」と、「政党等寄附金特別控除(政治活動に関する寄附をした場合の所得税額の特別控除)」のいずれか有利な方の選択適用です。
国や地方公共団体等に対する寄附金で寄附金控除を受ける場合でも、政党に対する寄附金は、政党等寄附金特別控除を選択することが可能です。

3) は、不適切。支払った寄附金・義捐金が、「特定寄附金」に該当するものであれば寄附金控除の対象となり、寄附金控除の計算式は以下の通りとなります。
寄附金控除額=いずれか低い金額(特定寄附金の合計 or 総所得金額等の40%)−2,000円

つまり、寄附金のうち総所得金額の100分の40相当額を上限に、2,000円を超える額が寄附金控除額となるわけです。

4) は、適切。東日本大震災の被災者支援活動を行う認定NPO法人への寄附金のうち、被災者支援活動に特に必要な資金として国税局長の確認を受けた寄附金は、一定額まで、寄附金控除または特定震災指定寄附金として税額控除を受けるか選択可能です。

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