問34 2012年9月基礎
問34 問題文
不動産仮登記に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
1) 所有権移転の仮登記は,実体上すでに所有権が移転している場合には,することができない。
2) 所有権移転請求権の仮登記は,所有権の移転がまだ生じていない場合に,することができる。
3) 所有権移転の仮登記をした場合には,抵当権設定登記はできるが,所有権移転登記はすることができない。
4) 地上権設定の仮登記は,権利部の甲区に記録される。
問34 解答・解説
不動産の仮登記に関する問題です。
仮登記とは、「実体上」・「手続上」の要件が備わっていないため、登記をすることができない場合、将来その要件が備わったときに完全な登記(本登記)をすることを前提とした登記です。
1) は、不適切。実体上すでに所有権が移転している場合でも、所有権移転の仮登記(1号仮登記)は可能です。
1号仮登記は、実体上の所有権移転は生じているものの、書類の不備等で手続上の要件が揃わなかった場合に申請するものです。
(実体上の所有権が「登記名義人」から「仮登記権利者」に移転済み)
2) は、適切。所有権の移転がまだ生じていない場合、所有権移転請求権の仮登記(2号仮登記)は可能です。
2号仮登記は、実体上の所有権移転は生じていないものの、所有権移転請求権があるときに、請求権を保全する場合に申請するものです。
(実体上の所有権が「登記名義人」から「仮登記権利者」に移転していない)
3) は、不適切。仮登記は将来の順位を保全するものの、対抗力はないことから、所有権移転の仮登記がされた後でも、抵当権設定登記や所有権移転登記(本登記)が可能です。
4) は、不適切。所有権に関する事項は、登記記録の権利部甲区に記録され、所有権以外の権利(地上権・抵当権・賃借権等)に関する事項は権利部乙区に記録されます。
なお、地上権とは、借地権の1つで、他人の所有する土地を使用する権利のことです。
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