問15 2013年1月基礎

問15 問題文と解答・解説

問15 問題文

株式会社X社(以下,「X社」という)が所有する建物等の火災保険から受け取る保険金と圧縮記帳に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。なお,契約している火災保険はすべて,契約者(保険料負担者)および保険金受取人=X社となっている。

1) 工場建物および建物内に収容されている機械が全焼し,同一事業年度中に受け取った火災保険金で,焼失前と同様の工場建物および同一の機械を新たに取得した場合は,建物・機械ともに圧縮記帳の対象となる。

2) 工場建物が全焼し,同一事業年度中に受け取った火災保険金で,その滅失した所有固定資産と同一種類に区分される倉庫建物を新築した場合は,圧縮記帳の対象となる。

3) 保険金等で取得した代替資産等の圧縮限度額を算出する際,「所有固有資産の滅失または損壊により支出する経費」には,類焼者に対する賠償金等の費用についても含めることができる。

4) 保険金額5,000万円,焼失前建物の帳簿価額が1,500万円の工場建物が全焼し,その焼跡の取り片づけに500万円の費用がかかった。その後,同一事業年度中に保険金額全額を保険金として受領し,代替建物を3,600万円で取得した。この場合の圧縮限度額は2,400万円となる。

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問15 解答・解説

法人の損害保険金と圧縮記帳に関する問題です。

1) は、適切。圧縮記帳の対象は、法人所有の固定資産等ですので、建物や機械装置に適用され、圧縮記帳の対象となる保険金は、滅失または損壊のあった日から3年以内に支払の確定した保険金等とされています。

2) は、適切。圧縮記帳が認められる資産は、滅失または損壊した所有固定資産と同一種類に区分される固定資産です。
同一種類かどうかは、減価償却資産の耐用年数表の区分で判断されます。

3) は、不適切。代替資産の圧縮限度額を算出する際に、「滅失または損壊により支出する経費の額」を受け取った保険金額から差し引きます。この経費は取り壊し費用や消火費用、焼け跡の整理費用といった滅失等に直接関連する経費ですので、類焼者への賠償金・見舞金・弔慰金等の直接関連しない費用は含みません

4) は、適切。保険金を受け取って代替資産を取得した場合の圧縮限度額の計算式は以下の通りです。
圧縮限度額=保険差益×代替資産の取得額または差引保険金/差引保険金

注1)「差引保険金」は、差引保険金=保険金−滅失・損壊による経費 で計算します。
注2)「保険差益」は、保険差益=差引保険金−滅失・損壊直前の帳簿価額 で計算します。
注3)「代替資産の取得額または差引保険金」は、いずれか少ない方を計算式で使用します。

まず、差引保険金=保険金5,000万円−片付け費用500万円=4,500万円
次に保険差益=差引保険金4,500万円−帳簿価額1,500万円=3,000万円
さらに、代替資産の取得額3,600万円<差引保険金4,500万円ですので、3,600万円で計算します。
以上により、圧縮限度額=3,000万円×3,600万円/4,500万円=2,400万円 となります。

問14                問16

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