問22 2013年1月基礎
問22 問題文
オプションに関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
1) オプションのプレミアムとボラティリティ(原資産価格の変動率)の関係において,ボラティリティが上昇すると,オプションが権利行使される確率が低くなるため,プレミアムが下落する要因となる。
2) ノックイン・オプションやノックアウト・オプションといったバリア・オプションは, 他の条件が同一であるバリア条件のないオプションと比較すると,プレミアムが高い。
3) カラーの買いとは,キャップの買いとフロアの買いを組み合わせた取引で,金利低下時には運用利回りが低下する一方,金利上昇時には調達コストが上昇することになる。
4) コール・オプションの買いとプット・オプションの売りを組み合わせ,プレミアムの受払いがない場合は,ゼロ・コスト・オプションと呼ばれる。
問22 解答・解説
オプション取引に関する問題です。
オプション・プレミアム(オプションの価格)は、オプションの買い手にとって有利な条件には上昇し、不利な条件には下落します。
1) は、不適切。ボラティリティ(価格変動の激しさ)が上昇すると、オプションの買い手は損失を限定しながらより多くの利益を上げられる可能性が高くなる(権利行使して利益確定を狙うようになる)ため、買い手に有利となり、コール・オプションもプット・オプションもプレミアムは高くなります。
2) は、不適切。バリア条件とは、一定価格(バリアー)に達すると有効・無効となるオプション取引における条件で、ノックインオプションは一定価格(バリアー)に達すると有効、ノックアウトオプションは一定価格に達すると無効となります。
コール・オプションを購入する場合、ノックイン設定だと一定価格に達しないとオプションが有効にならないため、原資産価格が少しくらい上昇しても、一定価格まで設定しない限り利益が出ないことになります。
また、ノックアウト設定だと一定価格に達するとオプションが無効になるため、原資産価格がどんどん上昇して利益が出たと思っても、一定価格まで達するとオプション自体が無効になり、利益が無かったことにされてしまいます。
以上により、オプションの買い手にとって、ノックインやノックアウトといったバリア設定は有利にならないことから、オプションのプレミアムは低くなります(コール、プットいずれも同じ)。
3) は、不適切。金利キャップの買い(または売り)と金利フロアの売り(または買い)を組み合わせた取引を、カラー取引といいます。
金利キャップは設定金利で資金調達できる権利、金利フロアは設定金利で資金運用できる権利ですから、カラーの買い(キャップの買いとフロアの売り)は、金利低下時にはフロアの売りにより運用利回りが低下し、金利上昇時にはキャップの買いにより調達コストが低下します。
4) は、適切。プレミアムの受払いがない(差引ゼロになる)取引は、ゼロ・コスト・オプションと呼び、例えばコールの買いとプットの売りを同数保有する取引です。
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