問45 2012年9月基礎
問45 問題文
成年後見制度に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
1) 家庭裁判所により保佐開始の審判がされた場合,後見事項が本人の戸籍に記載される。
2) 任意後見制度においては,任意後見契約を締結すると同時にその契約の効力が発生する。
3) 法定後見制度において,本人以外の者が後見等の開始の申し立てをするためには,後見および保佐については本人の同意を必要としないが,補助については本人の同意を必要とする。
4) 法定後見制度において,後見については複数の後見人が認められているが,保佐と補助については複数の保佐人,補助人は認められていない。
問45 解答・解説
成年後見制度に関する問題です。
1) は、不適切。法定後見制度では、家庭裁判所による後見・保佐・補助開始の審判確定後、後見事項が戸籍に記載されることはありません。
以前は、「禁治産者」(常に心神喪失している等)として戸籍に記載されてしまっていたため、問題視され現在は記載されなくなりました。 (ただし、「成年後見登記」として法務局で登記されます。)
2) は、不適切。任意後見制度における任意後見契約では、家庭裁判所により任意後見監督人が選任されるまで、その効力は生じません。
家裁が監督人を決めるまで、任意後見契約は無効ということですね。
3) は、適切。法定後見制度では、本人以外が後見等の開始の申し立てをする場合、後見・保佐は本人の同意が不要ですが、補助は本人の同意が必要です。
補助の対象者は、後見や保佐が必要な人よりは判断能力があるとされるため、本人以外による補助開始の審判は、本人の意思を尊重すべく本人の同意がなければできません。
4) は、不適切。法定後見制度では、家庭裁判所が後見開始の審判を行い成年後見人を選任しますが、複数人を後見人として選任することも可能(保佐人・補助人も複数可)です(任意後見でも可能)。
後見・保佐・補助は、財産管理だけでなく契約手続き等も行う必要があり、1人では対応しきれない場合があることから、複数人の選任が認められているわけです。
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