問48 2013年1月基礎
問48 問題文
取引相場のないX社株式の純資産価額を算出する場合において,以下の〈土地の概要〉の宅地A地,B地,C地の相続税評価額の合計額として,次のうち最も適切なものはどれか。
〈土地の概要〉
(1) 利用状況(すべてX社保有,いずれも10年前に購入)
・A地:社長宅敷地。X社が社長宅を建築して社長に適正な家賃で賃貸している。
・B地: 社長宅駐車場敷地。X社が所有する車両を駐車している。車両は社長が使用。
・C地:X社が賃貸アパートを建築して,会社関係者以外に適正な家賃で賃貸している。満室である。
(2) 評価額
・A地,B地,C地を単独で評価した場合の自用地価額は,それぞれA地=5,700万円, B地=360万円,C地=3,000万円となる。
・A地とB地が一体であると仮定した場合の自用地価額は,6,360万円となる。
・A地とC地が一体であると仮定した場合の自用地価額は,9,400万円となる。
・A地,B地とC地が一体であると仮定した場合の自用地価額は,1億600万円となる。
・借地権割合は60%,借家権割合は30%である。
1) 7,494万円
2) 8,068万円
3) 8,692万円
4) 8,820万円
問48 解答・解説
土地の相続税評価額に関する問題です。
土地の評価は、原則として宅地や農地といった区分で判断されますが、宅地の相続税評価単位は、1画地
(利用単位)ごとですので、1筆の宅地上に自宅や貸家がある場合、自宅部分と貸家部分それぞれで評価されます(一筆の土地ごとに一つの所有権)。
本問では、A地には社長に賃貸し、B地はX社所有でX社自身が使用、C地は賃貸アパートとして賃貸中ですから、それぞれの土地の利用状況が異なるため、一体の土地として評価せず、単独で評価することとなります。
まず、A地は自社の役員とはいえ適正な家賃で賃貸していることから、貸家建付地として評価。
次にB地は、X社所有でX社自身が使用しており、社長は車両を社用車として使用しているだけ(借地権等は発生しない)ですので、自用地として評価。
最後に、C地は賃貸アパートとして他者に賃貸していることから、貸家建付地として評価。
貸家建付地の評価額=自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合) ですから、
A地の評価額=5,700万円×(1−60%×30%×100%)=4,674万円
B地の評価額=360万円
C地の評価額=3,000万円×(1−60%×30%×100%)=2,460万円
従ってA・B・C地の評価額の合計は、4,674万円+360万円+2,460万円=7,494万円
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