問56 2013年1月応用

問56 問題文と解答・解説

問56 問題文

【投資信託の概要】の「Xファンドの分配金実績および分配前基準価額の推移」に基づいて,ファイナンシャル・プランナーがAさんに説明した次の文章の空欄(1)〜(4)に入る最も適切な数値を解答用紙に記入しなさい。なお,Aさんは,収益分配金を特定口座(源泉徴収有り)で受け入れ,Xファンド以外にこの年における株式等の譲渡はなく,税金以外の費用等はないものとする。また,文章中の「□□□」は,問題の性質上,伏せてある。

「AさんがXファンドを平成24年4月に基準価額10,500円で購入したと仮定した場合,平成24年9月8日の分配金は全額特別分配金となります。個別元本は10,500円−□□□円=( 1 )円に変更となります。
平成24年12月8日の分配金のうち,普通分配金は( 2 )円,特別分配金は( 3 )円となります。平成24年12月8日の受益証券10,000口当たりの収益分配金の税引き後手取金額は,( 4 )円となります」

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問56 解答・解説

投資信託の収益分配金に関する問題です。

まず「購入時の基準価額:10,500円」ですから、分配前の個別元本=10,500円 です。
さらに、分配後の基準価額=収益分配金支払前の基準価額−収益分配金 で表せます。

ここで、「分配後の基準価額>分配前の個別元本」の場合、「分配後の個別元本=分配前の個別元本」となり、収益分配金すべてが普通分配金となり課税対象です。
反対に「分配後の基準価額<分配前の個別元本」の場合、「分配後の個別元本=分配前の個別元本−特別分配金(非課税)」となります。
※特別分配金=分配前の個別元本−分配後の基準価額

平成24年6月8日の分配では、分配後の基準価額=12,000円−800円=11,200円 となり、
分配後の基準価額11,200円>分配前の個別元本10,500円 となります。
従って6月8日の分配金800円は全て普通分配金となり、6月8日の分配後の個別元本は10,500円のままです。

平成24年9月8日の分配では、分配後の基準価額=10,300円−500円=9,800円 となり、
分配後の基準価額9,800円<分配前の個別元本10,500円 となります。
従って、平成24年9月8日の分配金500円は、全て特別分配金として、個別元本10,500円から取り崩したこととなり、
平成24年9月8日の分配後の個別元本=10,500円−500円=10,000円 となります。

平成24年12月8日の分配では、分配後の基準価額=10,200円−300円=9,900円 となり、
分配後の基準価額9,900円<分配前の個別元本10,000円 となります。
ここで、普通分配金=分配前の基準価額−分配前の個別元本 ですので、
普通分配金=10,200円−10,000円=200円
特別分配金=収益分配金−普通分配金=300円−200円=100円

普通分配金は税率10%(所得税7%+地方税3%、平成25年12月31日まで)で、特別分配金は非課税ですから、
平成24年12月8日の分配金の税引後手取金額=200円×(1−0.1)+100円=280円

※計算方法としては、特別分配金を下記の式で求めることも出来ます。
特別分配金=分配前の個別元本−分配後の基準価額=10,000円−9,900円=100円

以上により正解は、(1)10,000 (2)200 (3)100 (4)280

問55                         第3問

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